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どうしたら「利益を出し続ける」会社になれるのか
第4回 リーダーシップがない

会社はいつも何かを決断しながら存在しています。誰に何をいくらで販売するのか?誰を採用するのか?

クレームにどのように対応するのか?・・・・・

会社が毎日意思決定している数や内容を考えると、それは途方もない量にのぼるでしょう。

 

会社の運命は、「何に関して、どのように意思決定するか」、そして「それをどのように実行するのか」によって決まります。といっても、これは会社に限らず、個人でも同じことです。これから何を誰と食べるのか、から始まって、どこの会社に就職するのか、誰と結婚するのか・・・・。 個人の日常も意思決定の連続で、それによって我々の運命は大きく変化します。

 

会社にとっても、個人にとっても大事な意思決定ですが、それには以下のような特徴があります。

 

意思決定には日常的な意思決定と、大きな方向性を決めるような非日常的な意思決定の2種類がある

意思決定は適時になされる必要があり、それが遅れると取り返しがつかなかったり、多額の損失が発生することもある

いくら適切な意思決定がされたとしても、実行されなくては意味がない

 

今回のテーマは「会社におけるリーダーシップ」です。人によってその捉え方は変わりますが、私はこの意味を「会社の非日常的な意思決定を適時適切に行って、周りの人を巻き込みながらそれを実行させていくこと」にあると考えています。

先ほど個人も会社も、その運命は意思決定によって変化すると言いましたが、その実行過程はそれぞれ異なります。これは、個人は「自分で決めたことを自分で実行すればよい」のですが、会社は複数の人の集合体であるため、意思決定を行動に移すためには、「自分だけではなくて他人を巻き込まなくてはならない」という点です。

 

多くの会社を見ていて、会社の意思決定がいつも適切になされるわけでなくて、かつ着実に実行されているわけでもないことを実感しています。

これを書いている最中にも日本を代表する電機メーカーが、在外子会社の赤字に耐えられずに経営危機になっているということが大きく報道されています。

また社長が交代して、周りが先代社長の子飼いの部下ばかりの中で、新社長が功を焦って大きな決断をした結果、それがうまくいかなかった例。環境の変化に対して、早く手を打つ必要があったのに、決断が遅れて取り返しがつかなくなった例は少なくありません。

会社の運命が「会社の意思決定とその実行の仕方によって決定される」のだとすれば、またリーダーシップの意味が「会社の非日常的な意思決定を適時適切に行って、それを実行させていくこと」にあるのだとすれば、これらの事象はリーダーシップのとり方が原因だったということになるのでしょう。

 

リーダーといっても人間である以上、その情報は限られますし、また判断がいつも正しいとは限りません。結果として誤ってしまうこともあります。

ただなるべく誤らないようにする。また誤った意思決定を行ったとしても、その傷を浅くするためにはどうしたらよいのでしょうか?

必ずしも正解ではないかもしれませんが、ここでは思うままにいくつか挙げてみましょう。

 

トップが意思決定をするうえでの価値観を明確にして、それを社内に共有するように努めること

組織としての目標をトップが明確に打ち出して、かつ社内に共有し、意思決定はそれを達成するための手段と位置づけること

変化(外部・内部環境、業績など)に敏感になって、その影響・原因分析に努めること。また変化が社内に伝わりやすくするようにオープンな社風を作ること

「トップ単独の意思決定」(スピードが速く、責任は明確になるが、個人の思い込みにより失敗する可能性もある)と「組織的な意思決定」(スピードは遅くなり、責任は曖昧になりやすいが、皆で協議して決定する分、適切な意思決定ができる可能性が高い)との違いを認識して、自分の組織にどちらが合ってるのか、必要に応じた使い分けを考えること

意思決定した後は、それをなるべく早く行動に移すとともに、社内に丁寧に説明して、協力してもらえるように努めること

意思決定・行動の結果を分析して、必要に応じて次の行動を起こすとともに、その過程を今後の経験の蓄積のために残すこと

 

自分で書いていながら、どれもかなり難しいことだと思います。自戒の念も込めて考えてみました。ただ、会社がうまくいくのも、またおかしくなるのもリーダーシップの力が大きく影響することは事実です。これは多くの会社を見た実感です。

皆さんなりのリーダーシップ、改めて考えてみることをお勧めします。

 

以 上

 

【初掲載】

ウェブサイト 「イノベーションズアイ」 コラム 「どうしたら「利益を出し続ける」会社になれるのか」 (第4回) 2017年4月21日

(弊社関連会社 朝日税理士法人執筆)

 

 【お問い合わせ】

朝日ネットワークスグループは、日本の朝日税理士法人と連携して、移転価格文書化等、各種サービスを提供しております。ご質問・ご相談等ございましたら、当HPの「お問合わせ」よりお気軽にお問い合わせ下さい。

 

どうしたら「利益を出し続ける」会社になれるのか
第3回 正義がない

「内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民を目指す」

 

「所期奉公(意味:事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力すると同時に、かけがえのない地球環境の維持にも貢献する)」

 

皆さんこれを読んで、どのように思われたでしょうか?

上にあるのはトヨタ自動車の企業理念、下にあるのは三菱商事の創業以来の企業理念である「三綱領」のそれぞれ第1項です。

どちらにも共通しているのは、「企業は社会の一員である」とともに、「それぞれの企業が、よりよい社会実現を目指して行動する」という精神です。

 

一企業がより良い社会実現を目指す必要があるのか? あまりに大上段に構えすぎているのではないか? 皆さんの中には、そう思われる方々もいらっしゃると思います。

またトヨタ自動車や三菱商事のような大企業だから社会性を考える必要があるので、うちのような中小企業には余裕がない。そこまで必要ない。 と考えられる方もいるかもしれません。

でも本当にそうなのでしょうか?

 

商売の基本は利益を出すことです。利益が無ければ企業を継続させていくことはできませんし、従業員を幸せにすることもできません。私は資金に詰まっている多くの会社を見ていますが、利益=資金を生み出すことは本当に重要です。

でもそれだけを考えるあまり、商売相手を騙したり、社会的に認められない商売に手を出すとしましょう。確かにこのような行為によって、一時的には利益はでるかもしれませんが、それは長続きするのでしょうか?

 

騙された相手は継続的には付き合ってくれないでしょう。また社会的に認められない商売を、継続的にかつ安定的に行えるとは思いません。訴訟や世の中の非難から怯えながら生活しなくてはならないのです。

さらに企業は人の集まりです。参加している従業員が、正義のない企業に安心してついてくるでしょうか?多くの従業員は、どうせ働くならお客さんに喜んでほしいと思うでしょうし、正義のない企業では働きたくないのではないでしょうか。

こうしたことを考えていくと、企業は社会の一員であることを考えて行動せざるを得ないのです。

 

「情けは人の為ならず」 = 「情け」をかけることは、人の為に行うのではなくて、いずれは自分に返ってくるのだから、人に「情け」をかけた方がよい、 ということわざがあります。

私は「企業に正義が必要だ」ということを考えるとき、このことわざを思い出します。

 

経営者はどうしても目先の利益や資金のことを考えがちです。それは当然のことですし、目先のことを考えない企業は成功しません。ただそれだけでも企業は継続して成長しません。商売は自分が儲けるために行っているのですが、商売相手がいるからこそ成り立っているのです。「情け」を商売相手にかけることは一見無駄に思えるかもしれません。でもそれは間違いだと私は思います。

 

商売を通じて「商売相手や社会を豊かにする」という正義をもつことが、自分の会社を良くする本道である。

自社が成功するために、経営者は社会の中での役割を考えて行動すべきですし、従業員にもその意識を共有することが重要であると私は考えます。

 

以上

 

【初掲載】

企業情報サイト 「イノベーションズアイ」 コラム「どうしたら「利益を出し続ける」会社になれるのか第3回(2017年3月31日)

(弊社関連会社 朝日税理士法人執筆)

 

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海外進出企業の国際税務入門 第10回 「国税庁の国際戦略トータルプランとそれに基づく税務調査とは?」(日本の税務)

昨年(平成29年)12月19日に、国税庁は、『「国際戦略トータルプラン」に基づく取組方針・具体的な取組状況」』を公表しました。同プランは、平成28年10月に公表されていたものです。今回のブログでは、トータルプランの概要とそれに基づく取組状況、つまり税務調査の状況のうち、海外に進出している中堅企業に関係するものをいくつか見て行きます。

 

国際戦略トータルプランとは?

 

「国際戦略トータルプラン」とは、経済社会の国際化、「パナマ文書」、「パラダイス文書」の公開やBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトの進展などを受けて、国税庁の国際課税の取組の現状と将来の方向を取りまとめたものです。

 

同プランでは、

 ● 情報リソースの充実(情報収集・活用の強化

 ● 調査マンパワーの充実(国際課税の専門体制の整備・拡充)

 ● グローバルネットワークの強化(外国税務当局との協調など)

という、3つの取組みを推進し、海外取引のある企業による国際的な租税回避行為など、課税上の問題がある場合には、積極的に税務調査等を行うものとしています。国際的な租税回避行為としては、海外で設立した会社を利用したものや、各国の税制・租税条約の違いを利用したものなどがあげられます。

 

 

同プランに基づき、海外進出企業にどのような税務調査が行われているか? 

 

今回公表された「取引状況」によれば、同プランに基づく税務調査の事例として、以下のようなものがあげられます。

 

(1)「国外送金等調書」などの法定調書を利用して、海外での所得を把握した例

(2) 租税条約等に基づく情報交換制度を活用して、海外取引の実態を解明した例

(3) 外国子会社合算税制を適用し、外国における子会社の所得に対して課税した例

 

(1)の具体例

(1)の具体例として、「国外送金等調書」によりある企業が外国の個人の金融口座へ多額の送金をしている事実を把握し、取引の実態を確認するための調査を実施した件があげられています。その結果、当該企業が外国の知人と通謀して架空経費の計上により資金を国外に隠ぺいしていたことが明らかにされました。

 

「国外送金等調書」とは、金融機関が税務署に提出するもので、国外への送金及び国外からの受金の額が100万円を超えるものについて、送金者及び受領者の氏名、取引及び取引年月日を記載したものです。国税当局は金融機関から入手したこの情報を納税者の申告状況と比べ、海外取引に係る収入金額が除外されていないか、海外に保有する資産を隠ぺいしていないかなど、海外取引に関連した不正発見の糸口をみつけるためのツールとして活用しているのです。

 

その他、国税当局が活用する法定調書としては、国外財産調書、財産債務調書などがあげられます。

 

(2)の具体例 

租税条約等に基づく情報交換制度としては、①要請に基づく情報交換、②自発的情報交換、③自動的情報交換の3つ類型があります。今回の発表では、①と②による税務調査の具体例があげられています。

 

①要請に基づく情報交換を活用した税務調査

要請に基づく情報交換とは、国税当局が国内で十分な情報を得られない場合に、反面調査的に外国の税務当局に必要な情報の収集・提供を要請するものです。

 

今回の事例は、取引先との関係を考慮して取引先の従業員に支払った謝礼を販売手数料に仮装して損金算入していたケースです。国税当局は相手国の税務当局に情報提供を要請し、取引実態を把握した結果、当該支払に損金性がないことを確認しています。

 

②自発的情報交換の税務調査

自発的情報交換は、自国の納税者に対する調査の際に入手した情報で外国税務当局にとって有益と認められる情報を自発的に相手国に提供するものです。

 

今回の事例は、外国からの自発的情報交換資料により、ある企業の代表者が外国の預金口座を国外で得た報酬の振込先としていたが、当該報酬を日本では申告していなかったことをつきとめたケースです。

 

(3)の事例

(3)の事例として、国外の関連法人への出資状況等から外国子会社合算税制を適用したケースがあげられています。国税当局は、資料情報等からある企業が軽課税国の法人に出資している事実を把握し、税務調査において、その出資状況、株主総会の開催場所、役員の執務執行場所等を検討した結果、当該企業が当該軽課税国において主たる管理、支配及び運営を独立して行っているとは認められないことを確認しました。その結果、外国子会社合算税制を適用しています。

 

今後の税務調査はどうなるか?

 

今回の発表から、国税当局が国際戦略トータルプランに基づき、国際課税に着実に取組み、積極的な税務調査の実施、税収の確保に努めている様子がうかがえます。

 

トータルプランで掲げられた施策としては、海外の預金残高等の金融口座情報や、「国別報告事項等(CbCR)」など多国籍企業情報の外国との間の交換(これらは、平成30年9月までに外国との間で交換が予定されている)など、今後、実施されるものもあります。国税当局がこれらの情報を活用して税務調査を行うことは、容易に予想できます。

 

今後、海外事業を展開する企業は、移転価格文書化をはじめ、国際税務に係るコンプライアンス体制を整え、課税リスクを最小限に抑えることが望まれます。

 

以上

*本稿は、日本の朝日税理士法人の提供を受けています。

 【朝日の移転価格コンサルティング】

朝日ネットワークスグループは、日本の朝日税理士法人と連携して、移転価格文書化等の移転価格コンサルティング、及び、各種国際税務サービスを提供しております。ご質問・ご相談等ございましたら、当HPトップページ右上の「お問合わせ」よりお気軽にお問い合わせ下さい。

 

海外進出企業の国際税務入門 第9回
「ローカルファイルなど移転価格文書化は親会社主導の時代へ」(日本の税制)

かつて、移転価格文書といえば、ローカルファイルを意味していました。そして、どちらかと言えば海外子会社の駐在員がその作成の重要性を認識し、日本の親会社の少ない関与で作成することが少なくありませんでした。「本社にその必要性を訴えても、緊急の課題として取り上げてもらえない」という、海外駐在員の嘆きを耳にしたこともあります。

 

ところが、平成28年度の日本の税制改正で、移転価格文書化を親会社が中心となって推進して行かざるをえない状況が生まれました。

 

CbCレポートとマスターファイルの導入

 

平成28年度の日本の税制改正では、OECD/G20のBEPSプロジェクト最終報告を受けて、移転価格文書として、ローカルファイルの他に、CbCレポート(国別報告事項)とマスターファイル(事業概況報告事項)が新たに追加されました。同様の動きは、OECD/G20加盟国にも起こっています。

 

(注)CbCレポートとマスターファイルは、日本においては連結総収入で1,000億円以上の多国籍企業グループに作成が求められています。ただし、外国によってはより低い収入基準で作成が義務付けられている場合がありますので注意が必要です。

 

CbCレポートは、多国籍グループの最終親会社(究極の親会社)である日本の企業によって、日本の税務当局に提供され、租税条約に基づく自動的情報交換制度によって海外子会社の所在国の税務当局に提供されます。

 

また、マスターファイルは、多国籍企業グループの構成会社である日本の企業によって、日本の税務当局に提供されるだけでなく、海外子会社を通じて、各国の税務当局にも提出される場合があります。

 

よって、日本の税務当局や海外子会社の所在国の税務当局では、今まで入手することが困難であった情報なども、新たな文書化制度によって入手が可能となるのです。そして、それらの資料や情報を分析・検証することで、より詳細なチェックを容易に行なうことが考えられます。

 

そのため、多国籍企業グループの移転価格対応は、今までのように親会社と海外子会社が別々に準備を進めているのでは、グループ全体の税務リスクを顕在化させかねません。

 

よって、今後、多国籍企業グループは、親会社主導によりグループの統一的な移転価格ポリシー(移転価格決定に関するグループ内の基本方針)を策定し、それらのポリシーに基づき、親子間、各海外子会社間において整合性のある移転価格文書を準備していく必要があります。

 

親会社主導で移転価格ポリシーを取りまとめるには?

 

親会社主導によりグル-プ全体の移転価格ポリシーを取りまとめる際には、親子間および各海外子会社間で不整合が生じないよう、グループ全体を見渡した上で、ポリシーの設定が行われることになります。

 

しかし、外国によっては、文書化制度、税における実務慣行、及び、執行状況にも違いがある場合もあります。よって、親会社が主導する際には、現地におけるそれらの事情を十分理解した上で、柔軟な対応が必要になってきます。

 

親会社と海外子会社、どちらがローカルファイルを作成するか?

 

移転価格ポリシーが決定し、実際にローカルファイルの作成を行っていく際にも、求められる文書の種類や関係会社の範囲、作成言語、作成期限や提出期限などに違いがあるため、親会社と現地法人である海外子会社のどちらが主導で作成していくのかという問題が生じます。

 

-親会社がローカルファイルを作成するケース

親会社が作成する場合には、そのレポートを海外子会社が翻訳および現地用にカスタマイズすることになります。

 

-海外子会社が作成する場合

親会社から移転価格ポリシー、文書の作成方針、コア情報などを提供してもらい、それに基づいて作成した上で親会社にフィードバックするという流れが必要となります。

 

上記、いずれの場合にも、親会社および海外子会社がそれぞれの国の制度を理解した上で、お互いが情報交換を行い協力しながら、ローカルファイルを作成していくことが求められます。

 

移転価格リスクを軽減するシステム構築を

 

税法は各国独自のものであり、移転価格税制においても、日本と海外子会社の所在地国では大きな隔たりがあることが少なくありません。そのような中、今後、日本で求められる親会社主導によるグローバル移転価格対応を進めるにあたり、両国の法令に対応でき、企業グループとして移転価格リスクを軽減できるようなシステムを構築していくことが求められます。

 

また、移転価格文書は一度作成すればそれで終わりというわけでなく、毎期更新していくことも必要です。移転価格システムの整備とともに、移転価格文書の精度も徐々に高いものにしておく努力が求められることになります。

 

以上

*本稿は、日本の朝日税理士法人の提供を受けています。

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