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タイの付加価値税(VAT)①-還付請求すると税務調査がついてくる!(タイの税金)

2014.03.25

本年2014年4月1日より、日本の消費税率が5%から8%に上がります。増税前にかけこみ購入をしている方も多いのではないでしょうか?なかには「家を買ってしまった!」という方もおられるかもしれません。

 

さて、今日はタイの付加価値税についてご説明しましょう。

 

タイには日本の消費税にあたる、「付加価値税(Value Added Tax: 以下VATと呼ぶ)」があります。これは、タイ国内における物品の販売等やサービスの提供および輸入に対して課税されるものです。税率は、タイの税法である内国歳入法上10%ですが、時限立法により2014年9月30日まで7%に軽減されています。

VATを負担するのは最終消費者ですが、納税義務があるのは、タイ国内で物品やサービスの提供を継続的に行う事業者で、年間1.8百万バーツの収入がある者です。納税義務者は、取引ごとのタックス・インボイスを用いて、販売した物品の額及びそれに相当するVATを表示します。

タイに進出した場合、法人設立後、タイミングを考えてVATの納税者登録が必要です。そのタイミングとは、少なくとも高額の物品の購入が始まる前と考えます。というのも、購入に係るVATは仕入税額控除の対象となり、売上のVATと相殺できるからです。

ただし、一度VAT納税者登録をすると申告額がゼロであっても毎月のVAT確定申告が必要ですので、注意が必要です。

月次のVAT申告書は、毎月末締め、翌月15日までに、タイの税務当局である歳入局に提出します。

納税VATの金額は、売上VATから仕入VATを引いたものです。

 

売上VATよりも仕入VATの金額が大きかった場合には、マイナス額の翌月への繰越または還付申請が可能です。ただし、還付申請を行うと歳入法上、必ず税務調査の手続きを経て還付することになっています。調査においては、VAT申告と法人税申告、源泉徴収の実績の整合性、適用税率(7%の他、0%のものもある)、非課税・不課税の分類、タックスインボイスの記載事項と保存の状況、クレジットノート発行の根拠の適正性などがチェックされます。よって、この煩わしさを避けるため、実務上は、多くの場合、還付請求をせずに翌月へ繰越すということが行われます。

 

輸出事業者のように恒常的に仕入VATの方が多く、還付ポジションとなってしまう場合は、一定の手続・調査を経て毎月の還付請求ごとの調査を省略し、還付プロセスを早めることができます。

 

VATの申告方法については、別の機会にご説明することにしましょう。