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非居住者になっても所得税は課税される?~日本法人の従業員のケース

2013.08.28

★このブログは朝日税理士法人(東京) の原稿提供により掲載しております。

一年以上の予定で海外に赴任することになる場合には、原則、その出国の日の翌日から日本の非居住者となります。日本の所得税法上、その非居住者に支払われる国内払い給与及び国外払い給与のうち、国内源泉所得に該当する部分は日本において課税されることになります。国内源泉所得は、支払われた給与総額のうち国内勤務期間に対応する部分として日数按分計算によって求められます。

したがって、海外赴任期間のすべてが海外勤務に該当する場合には、国内源泉所得が生ずることがないため日本の所得税は課税されません。しかし、その海外赴任期間中に日本に出張し国内で勤務する場合には、国内払い給与及び国外払い給与について国内源泉所得が生ずることになり、日本において課税関係が生ずるケースがあるので注意が必要です。

なお、国内払い給与を支払う会社は、その支払いの際、国内源泉所得について所得税を源泉徴収する必要があります。一方、国外払い給与については、海外赴任者が納税管理人を選任の上、翌年2月16日から3月15日の間に、非居住者の準確定申告をすることになります。

一方、租税条約の短期滞在者免税規定(いわゆる183日ルール)の適用がある場合には、国外払い給与については、日本法人がその国外払い給与を負担しないかぎり免税となり準確定申告は必要ありません。ただし、国内払い給与については、原則として、短期滞在者免税の要件を満たさないため、所得税の源泉徴収が必要になります。