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OECD移転価格文書化ガイドライン改訂案‐ローカルファイルは現地言語で作成!?(移転価格税制)

2014.07.04

「OECD移転価格ガイドライン第5章(文書化)1995年版」の改訂案について見て行きます。

改訂案では、移転価格文書をマスターファイルとローカルファイルで構成する二層構造アプローチが採用されました。今回はローカルファイルに注目しましょう。

ローカルファイルは、多国籍企業グループの個々の関連者間取引に関する財務情報や比較可能性分析、最適な移転価格算定手法を記載するものです。具体的には、個々の関連者(対象事業体)ごとに下記のような情報を記載します。

【ローカルファイルに記載される事項】(国税庁訳) 

OECD改訂案では、ローカルファイルは、関連者の所在国がインドネシアであれば、インドネシア語で、タイであればタイ語で、というように現地言語で作成されることが有益であるとされています。また、作成時期については、マスターファイルとともにローカルファイルも対象事業年度の税務申告時に作成することがベストプラクティスであるとされています。

また、ローカルファイルはマスターファイルと同様、毎年更新しなければなりません。一方、納税者の負担軽減の観点から、事業状況が変わらない限りにおいて、ローカルファイルの比較対象取引のデータベース検索は3年ごとの更新が認められうるとされています。ただし、この場合でも信頼できる独立企業原則適用のために比較対象取引の財務データは毎年更新されなければなりません。

以上のような、作成言語、作成時期、及び、更新頻度を考えると、納税者の事務負担は相当重くなることが予想されます。

日本経団連は、OECD租税委員会に対して、当該改訂案に対する意見書を提出しています。そこでは、企業の事務負担が重くなる点や企業の機密性の高い書類の提出が必要なことからくる秘密の漏洩の危険性などの懸念事項を指摘しています。他のOECD加盟国の経済団体等も同様な意見をすでにOECD租税委員会に提出し、5月には公聴会が開かれました。

OECDがこれらの意見をどこまで受け入れ、どの程度柔軟性のあるガイドラインを設定できるか。本年9月の最終案が非常に注目されます。

以上