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JAPAN 国際税務
【JAPAN】日本進出における進出形態の選択-日本子会社 vs 日本支店:第4回
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★この記事は朝日税理士法人の原稿提供により掲載しております。
【連載】第4回:本支店間取引とAOA原則の壁
外国法人が日本市場へ実際に進出する際、直面する重要な意思決定の一つが「日本子会社(法人)」の設立か、それとも「日本支店(営業所)」の設置かという選択です。
一見すると、支店の方が設立手続きが簡便で、利益送金時の源泉所得税がかからないといったメリットがあるように見えます。しかし、日本の税務・実務を深く分析すると、 日本支店形態には極めて重い税務コストと管理負担コストが隠されています。
本シリーズでは、実務上の盲点を浮き彫りにしながら、なぜ最終的に「日本子会社」が推奨されるのかを全6回にわたって解説します。
第4回は、国際課税における最重要テーマである「AOA(独立企業原則)」と、本店経費の配賦リスクについて解説します。
1.「内部取引」という特殊な概念
日本支店と本国の取引は、同一法人内の「内部取引」であるため、法的には売上や仕入は存在しません。しかし、税務上はAOA(Authorized OECD Approach)に基づき、「支店が独立した企業であった場合に適用されるであろう価格(独立企業間価格)」で取引したものと仮定して利益を計算しなければなりません。
2. 本店配賦経費の損金算入リスク
本国で発生した管理費(役員報酬やITインフラ費など)の一部を日本支店の経費(損金)にすることを「本店配賦経費」と呼びます。これには非常に厳しい要件があります。
- 証拠書類の保存義務 :本国の総勘定元帳の明細、配分基準の合理性を示す書類、計算書などを毎期準備し、保存しなければなりません。
- 全額否認のリスク :税務調査でこれらの書類や立証が不十分とみなされた場合、過去に遡って 経費計上が全額否認 され、多額の追徴課税を受けるリスクがあります。日本子会社であれば、親子間で「業務委託契約」を締結し、明確なインボイスに基づき処理するため、こうした否認リスクを極めて低く抑えられます。
3.日本子会社の場合
内部取引ではないため、法人間での契約およびインボイスにより収益・費用を認識します。
第5回は日本支店の場合の源泉徴収と口座開設の課題について解説します。
第1回:全体サマリー ─ どちらを選ぶべきか?
第2回:資本金の判定と「地方税」の落とし穴
第3回:会計記帳の負担と二重管理の実務
第4回:本支店間取引とAOA原則の壁
第5回:源泉徴収の特殊実務とインフラ構築
第6回:結論 ─ なぜ日本子会社設立を推奨するのか
免責事項:本稿は日本子会社および日本支店の選択に関する一般的な税務・実務概要を解説するものであり、すべての詳細や最新の改正を網羅しているものではありません。個別具体的な判断については専門家にご相談ください。
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