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【CHINA】中国赴任時の税務上の留意点について

2026.03.05

※ 本ブログはBUSINESS PARTNER株式会社BPアジアコンサルティング の原稿提供により掲載しております。

3-4月は人事異動の季節でもあり、新たに中国に赴任される方も多いと思います。暦年の途中で異動すると、日中それぞれの税務において留意すべき注意点が多数発生します。本記事では税務を中心に赴任時の留意点について解説します。


例:4月より中国に赴任される方:

<日本の準確定申告の要否>
今年度において確定申告が必要な項目、例えば株式・不動産譲渡益などがある方は、準確定申告が必要となりますが、勤務先の給与しか所得がないような一般的なケースでは勤務先にて年末調整が行われ、準確定申告は不要となります。
いずれにおいても、年収は数か月分しかないのに対し、基礎・扶養控除などの人的控除は1年分控除ができるため、還付されるケースが多く、忘れずに処理を行ってください。

<出張・駐在の区切り>
辞令における駐在開始は4月1日なのですが、前任者引継のため3月から既に現地入りしており、そのまま4月を迎える、というケースも多いと思います。
ずっと連続して中国に滞在しているため、3月から駐在員として処理すべきでは?という懸念も考えられますが、この場合あくまで3月末までは日本本社からの出張者であり、中国駐在員となるのは4月1日と処理して問題ありません。
また区別をつけるために3月末で一旦日本に帰国したほうがいいのでは?という懸念についても同様、わざわざ日本に帰国する必要もありません。
もちろん出張・駐在の区分を明確にするために日本本社からの辞令や現地法人との出向契約書、ビザ、就業許可・居留許可等の取得により、4月から駐在員となることがわかる資料をご準備しておけばより良いと思われます。

<中国赴任後>
4月以降の給与は中国で納税することになります。ここで給与の一部を日本本社が負担・支給する企業もありますが、この日本本社支給給与も中国個人所得税の課税対象となります。これは支給地ではなく、どこで発生した源泉(中国での勤務により発生したものか)なのかで納税地が決まるためです。
従って4月の日本本社支給給与は中国の個人所得税申告(通常翌月15日)に反映させなければなりませんが、駐在開始の不慣れ、中国子会社との連携不備などで、4月の日本本社支給給与が中国の申告期限に間に合わないことも多々あり、事前の準備が必要です。

<3月の給与及び夏賞与>
3月の日本給与の支給日が4月○○日、という会社もあるかと存じます。この給与は日本本社勤務時の給与ですが、支給時点では既に中国駐在開始しています。従ってこの3月給与は日本の非居住者として20.42%の源泉徴収を行います。
但し、計算期間が1ヵ月以下のものは国外源泉所得として扱ってもよい、という例外規定があり、結果日本の源泉徴収20.42%は不要という処理も可能です。
この場合中国で申告が必要ですか、というご質問がありますが、中国から見ても当該給与は国外源泉所得であり課税対象外となります。

一方夏賞与について、例えば支給対象期間が1-6月の賞与を7月に支給する場合、1-3月分は日本に、4-6月は中国に源泉があることになります。
従って1-3月分は日本の非居住者課税20.42%で源泉徴収が必要となり、4-6月分は中国で個人所得税の申告が必要となります。
日本本社の経理・人事部門におかれましては、7月の賞与支給時において日本の源泉徴収をするとともに中国現地法人へ連絡し、中国現地での申告処理を失念しないようご留意ください。

<中国現地給与の支給>
4月1日で中国駐在の辞令が出ても、駐在ビザ、就業許可及び居留許可の取得を完了するまでには一定の時間がかかります。一方現地法人から給与支給を受けるには居留許可の取得を完了している必要があります。
従って、例えば中国現地法人の給与支給日が当月25日の場合、4月25日までに居留許可が取得できていなければ現地給与を支給することができませんので、もしこのような状況になる場合は仮払や何らかの補填等の対応が必要となります。

<中国の確定申告>
中国では年間6万元の基礎控除を受けることができるのですが、実務ではこれを12分割した月5千元を月次申告で控除します。従って4月に赴任した場合、5千元×9ヶ月=45千元しか控除していないことになり、年間限度額6万元との差額15千元は確定申告で調整(税還付)する必要があります。
確定申告は翌年(2027年)3月から受け付けます。この確定申告を失念しないようご留意ください。

<日本の住民税>
日本の住民税は1月1日の住所で課税が決まるため、4月以降中国に駐在しても2025年度の住民税の納付(2026年6月-2027年5月)は必要となりますのでご留意ください。
住民税はこのように1年ずれるため、駐在員本人にとって税負担が大きい、という声をよくお聞きします。しかしこれは決して過度な負担がかかっているのではなく、逆に言えば何年後かに帰任した場合、帰任年度の住民税は不要となります。住民税は帰任翌年の6月以降から納税開始となるため、一定期間、住民税負担が無いことでご理解いただければと思います。


以上、今回は駐在開始における税務上の留意点を纏めました。
株式会社BPアジアコンサルティング では、中国駐在員の中国個人所得税の申告納税代行業務を行っております。当該業務では上述の問題点の整理や中国現地法人から駐在員給与情報を分離できるなど、様々なメリットがございますので、ご関心ありましたらいつでもお問い合わせください。

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