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【規則改定・インドネシア】【再改正】景気刺激策の一部延長

2022.02.07

 新型コロナウィルスの景気刺激策として従来から税金の減免制度が継続して施行されていることはご承知の通りです。

2021年度は弊社からもご案内しましたように以下が公布されています。
財務大臣令(No.9/PMK03/2021”PMK-9”)
財務大臣令(No.82/PMK03/2021”PMK-82”)
財務大臣令(No.149/PMK03/2021”PMK-149”)
  
2022年度も減免税制度が規模縮小ながら継続されるという趣旨で2022年1月21日付け財務大臣令(No.3/PMK03/2022”PMK-3”)が公布されましたので以下お知らせ致します。

 PMK-3の主な内容は下記のとおりです。

      • 減免税制度の内容に変更ありませんが、一部の減免税制度のみ延長
      • 減免税制度の適用会社の範囲は大きく限定
      • 免除対象期間が2022年6月まで延長

  以下PMK-3の規定内容および改正点については赤字で記載しています。

・PPH25(法人税予納)の納税額の軽減
 特定事業分野に該当する会社はPPH25の要納税額の50%が軽減できます。

【適用可能企業】
適用企業は156業種に限定されました。(PMK-149では481業種)。
特定の事業分野156業種についてはPMK-3の付表Lampiran Fをご確認下さい。

【軽減対象期間】
2022年1月度から2022年6月度

【適用を受けるための手続】
・ 軽減申請は原則租税総局www.pajak.go.idのオンラインから申請します。従来軽減適用されていても2022年度に恩典を受ける場合は改めて申請が必要となります。
・ PPH25の軽減許可を受けた後にオンラインによる実施報告書提出が必要となります。
・ 実施報告書の報告期限は軽減を受けた月の翌月20日となります。
・ 2022年1月度よりPPH25の軽減を受ける場合、PMK-3の公布日後30日以内(2022年2月20日)にオンライン申請が必要となります(申請メニューは既にオープンしています)。

・PPH22(輸入時の前払法人税)の不徴収
 特定事業分野に該当する会社のPPH22は免除を受けることができます。

【適用可能企業】
適用企業は72業種に限定されました。(PMK-149では397業種)。
特定の事業分野72業種についてはPMK-3の付表Lampiran Aをご確認下さい。

【免除対象期間】
2022年1月度から2022年6月度

【適用を受けるための手続】
・ 免除申請は原則租税総局www.pajak.go.idのオンラインから申請します。従来免税の適用を受けていても2022年度に恩典を受ける場合は改めて申請が必要となります。
・ PPH22の免除を受けた後オンラインによる実施報告書提出が必要となります。
・ 実施報告書の報告期限は軽減を受けた月の翌月20日となります。

・特定の建設サービス売上にかかるファイナルタックスの免除 
 建設業では、その事業規模やサービスの形態に応じて売上に対して2%~6%の法人税がファイナルタックス(PPH4-2)として課されています。
今回の規定では、このうち農業用水などの灌漑関連施設建設など極めて限られた建設サービスについてファイナルタックスの免除を受けることができます。

【適用可能企業】
建設業者のうち、農業用水(灌漑)設備の修繕、改良等に関する建設サービス売上についてはファイナルタックスが免除されます。
(弊社注記: 免除対象となるサービスが極めて限定的であることから、この税務恩典を受ける企業は少数に留まるものと思われます)

【免除対象期間】
2022年1月度から2022年6月度

【適用を受けるための手続】
・ 免除申請は原則租税総局www.pajak.go.idのオンラインから申請します。従来免税の適用を受けていても2022年度に恩典を受ける場合は改めて申請が必要となります。
・ PPH4-2の免除を受けた後オンラインによる実施報告書提出が必要となります。
・ 実施報告書の報告および修正申告の期限は2022年9月30日です

(ご留意事項)

  • 上記の税務恩典については、2020年度の法人税申告書の提出が要件となっています。2020年度の法人税申告書を未だ提出していない企業、または提出義務のない企業(例えば2021年度以降に設立された企業)は、これらの税務恩典を受けることができない可能性があります。

  • 以下の税務恩典については延長されませんでしたのでご留意ください。
       ・PPH21(従業員給与にかかる源泉徴収税)の免除
       ・特定中小企業の売上にかかるファイナルタックスの免除
       ・VAT暫定還付手続きの迅速化に関する規定

 以上は執筆時点(2022年2月7日時点)の情報に基づいて作成していますが、適時変更される可能性がありますので、実際の税務対応については個別にご相談ください。

 

以上