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【CHINA】中国のワクチンパスポートの現状と今後について

2021.04.05

LIBRARY【特集】 新型コロナウィルス関連

 

※ 本ブログはBUSINESS PARTNER 株式会社BPアジアコンサルティング の原稿提供により掲載しております。

長引くコロナ問題により日中間の往来は厳しく制限されている中、中国ではワクチンパスポート制度の導入による往来制限の緩和の動きが出てきております。

現在日中間を往来する際にハードルとなる大きな問題は、①中国入国時に必要となるビザの発給が制限されている事、②中国入国時に14日(地域によっては更にプラスアルファ)の待機制限がかかること、にあります。

ビザ発給制限については、有効な居留許可を持つ駐在員は(2020年9月より)新たなビザを取得する事なく中国入国ができるようになったため、中国駐在員はその駐在ビザにて日中間の往来が既に可能となっています。しかし日本本社社員の中国出張については、中国省・直轄市の外務弁公室が発行する特別招聘状がなければビザの取得ができず、今なお高いハードルがあります。

またビザがあっても、中国入国時の待機制限がビジネス上の大きな負担となり、容易な往来ができない状況にあります(日本帰国時にも待機制限があります)。

このような状況に対し、中国では2021年3月15日より、「中国製ワクチン予防接種証明書を持つ外国人は、ビザ申請時に特別招聘状が不要」となりました。

ここで、現在日本国内で中国製ワクチン接種はできないため、日本本社社員にとって事実上恩恵はなく、また中国駐在員はそもそも駐在ビザを持っているため、一見すると日本にはあまり意味のないものに見えるかもしれません。

しかし、現時点ではまだ緩和されていませんが、中国製ワクチン予防接種証明があれば、今後中国入国時の待機制限が緩和されてゆくと見込まれるため[1]、例えば中国製ワクチン接種を受けた日本人駐在員[2]が、中国入国時の待機制限なく日中間の往来が可能になれば、中国駐在員の負担は相当緩和されることになります。

また日本でもワクチン予防接種が開始されましたが、国家間でのワクチン予防接種証明の相互承認などが進み、日本でのワクチン予防接種証明にて中国ビザ取得・待機制限の緩和がなされれば、日本本社社員の中国出張もより容易になってまいります。

もちろんコロナワクチンは世界的にもコロナ問題改善のための最重要アイテムであり、政治的動向にも左右される可能性がありますが、これのいわゆるワクチンパスポート制度により、安心安全な経済活動がより活性化されることを期待したいものです。

 

以 上

[1] 4月4日中国外交部、中韓にてワクチンパスポートによるファストトラック適用範囲の拡大。

[2] 中国では在留外国人に対する中国製ワクチン接種が開始された。

 

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