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タイの制度概要タイの制度概要

[ご注意]

ここでは、タイの制度概要を記述しておりますが、これは当サイトのご利用者に向けて、一般的な情報をガイダンスとして提供することを目的としております。ご利用にあたっては、免責事項を必ずお読みくださいますようお願い申し上げます。また、当サイトの情報に基づき具体的決定や行動を起こす際は、事前に必ず、貴社の顧問会計士、税理士、弁護士、コンサルタント等、または、弊社のそれぞれの分野の専門家にご相談下さい。

なお、弊社はタイに子会社、ASAHI NETWORKS(THAILAND)CO.,LTD.を設置して常時日本人を駐在させ、タイ進出支援サービスを提供しております。サービスについてのご依頼・お問い合わせは、資料請求・お問い合わせよりお寄せ下さい。

会社設立

次のステップとなります。

商号予約   ⇒   基本定款登記   ⇒   設立総会開催    ⇒      最終登記

                                                ↓       ↓

                                            銀行口座開設  VAT登録

  • 商号予約

商務省(Ministry of Commerce; MOCと呼びます)の事業開発局(Department of Business Development; DBDと呼びます)に予約します。予約の効力は30日間です。

  • 基本定款登記

次のことを決める必要があります。

①    社名

②    登記資本、1株当たりの額面と株式の数

③    会社の目的(行う事業)

④    発起人最低3名

⑤    本社所在地

特に⑤の所在地が決まらなければ、すべてが進みませんので、不動産の事前調査が重要になります。

また、基本定款登記には登記料が、登録資本10万バーツに対して50バーツ必要です(最高25,000バーツ)。

  • 設立総会開催

次の内容を決議します。

①    付属定款(日本で言う、定款のこと)の採択

②    発起人の設立行為に関する承認

③    取締役、サイン権のある取締役及び監査人(公認会計士)の採択

④    取締役の権限の決定

  • 最終登記

次の登記をします。

①    株主情報(氏名、住所、国籍、持株数)

②    取締役情報(氏名、住所、年齢、職業)

③    サイン権を有する取締役の決定

④    会社の住所と所在地図

⑤    付属定款

⑥    初回資本金払込金額

⑦    設立総会議事録

⑧    社印

付属定款登記には登記料が、登録資本10万バーツに対して500バーツ必要です(最高250,000バーツ)。

  • 銀行口座開設

各銀行に問い合わせをする必要がありますが、バンコク銀行では次の資料を要求しています。

①    定款(Article of Association)

②    会社登記証書(Certificate of Incorporation)

③    登記株主名簿(Certificate of Shareholder Registration)

④    取締役会議事録(銀行口座開設と支払及び口座閉鎖についての銀行サイン権者を決議した記録のあるもの)(Minutes and resolution of Board, including details of account opening and authorized signatories for payment and account closure)

⑤    委任状(必要に応じて)(Power of Attorney (if any))

⑥    認証のあるサイン権者のIDカード、パスポート等(Identification card, Official ID card, Passport with certified true copy of these persons)

⑦   サイン権者の家屋登録書(タビヤンバーン)(House Registration of the authorized person)

⑧    VAT事業者登録申請書(VAT certificate)

⑨    会社印の証明書または会社登記内容詳細(Certificate of Company Seal or any amendment registration details)

⑩    基本定款(Memorandum of Association)

⑪  納税者登録カード(Tax ID Card)

  • VAT登録

①    申請書(Por Por 01)

②    事務所物件の賃貸契約書又はLetter of Consent (その両方の場合あり)

③    賃貸ビル自体のタビヤンバーン(House Certificate of the Office)

④    会社登記事項証明書(Affidavit)

⑤    サイン権のある取締役1名のパスポートコピー

⑥    会社所在地の地図

⑦    会社の看板、ビル自体の写真

⑧    月間予想売上高の情報

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主な工業団地

1)工業団地の種類及び開発主体

工業団地には、以下のように、① Industrial Estate と② Industrial Park / Industrial Zone の2つのタイプがあります。

 両者の最大の違いは、Industrial Estateは外国企業が出資するタイ会社であっても土地が所有できるのに対し、Industrial Park / Zoneについては、タイ投資委員会(BOI)の恩典を得なければ土地が取得できない点にあります。

【タイの工業団地の種類】

 

Industrial Estate

Industrial Park

 / Industrial Zone

造成・運営

以下の2種類がある。

●  IEAT (Industrial Estate Authority of Thailand、タイエ業団地公団)が造成し、管理運営しているもの

●  民間企業が造成し、IEATが共同で管理運営しているもの

民間企業が造成し、管理運営している。

土地の所有

外国企業が出資するタイ会社であっても土地が所有できる。

タイ投資委員会(BOI)の恩典を得なければ土地が取得できない。

恩典

● 外国人とその家族に対するビザの付与

● 外国人の労働許可付与

● 投資・配当、借入・利息等の国外送金の認可

● 事業を開始するためのワンストップ・サービス

● 工場法に基づくファクトリー・ライセンスの取得

● 建築基準法に基づく建築許可

● 都市計画法に基づく許可

 

 

2Industrial Estateに入居できる企業

 IEATに入居できる企業は、次のとおり定められています。

 【IEATに入居できる企業】

● 工業

● 工業に関連する事業

・ 製品やその製造に使用する物品の仕入・販充・梱包

・ 製造に使用する物品の集積・配送

● 工業に関連するサービス業

・倉庫業・運送業

・展示場・コンベンションセンター

・機械の修理・改良等のエンジニアリングサービス

・通信・コンピュータシステム、情報サービス等

 


 

 



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外資規制

1)概要

 日本企業がタイに投資をする際に、まず考慮すべきなのが外資規制です。外資規制の目的、主な内容、外国企業がタイ進出に際して直面する問題点とその解決方法は以下のとおりです。

なお、通常の製造業の場合は、外資規制の対象にはなっていませんので、日本の会社の100%子会社とすることができます。

【タイの外資規制】

外資規制の目的

タイ・ローカル企業の保護

 

主な内容

 

● 外国人が事業を行うことができない規制業種あり。

● 特定事業を行おうとした場合に外国企業は50%超の株主になれない。

● 外国企業は土地を持てない。

 

 

 

 

 

外国企業が直面する

問題点とその解決策

 

問題点

解決策

● 卸売業は外資100%では行えない

● 小売業も外資100%では行えないサービス業をしたいが、外資100%では営めないため、許可の申請をする必要が生じた

● 卸売の場合は、資本を1億バーツ以上と大きくする

● 小売りの場合も資本を1億バーツ以上、又は各小売店の資本が2千万バーツ以上とする

● タイ人パートナーとの合弁にて、彼らに51%を認めて運営する

● 日系銀行系の投資会社を利用する

● 商務省へ事業許可を申請する

● BOIの投資恩典を利用する

土地を所有して事業を始めたいが外資では所有できない

● BOIの恩典を取得する

● IEAT管轄の工業団地に入居する

● 民商法上の定期借地権(30年)制度を利用する

● 商工業用定期借地(50年)制度を利用する

● レンタル工場で様子をみる)


2)タイ人パートナーとの合弁による外資規制対策について

 ① 合弁相手について

取引上の関係などから、タイ・ローカル企業と付き合うことがあると思いますが、外資規制の対策から、タイ企業に出資をお願いする、すなわちタイ企業との合弁による事業運営をせざるを得ない場合があると思います。この場合、合弁後の会社運営を巡る意見対立も考慮し、慎重にその合弁先を見極めることが重要となります。

一般的に、合弁先を選定する基準としては、以下が考えられます。

【一般的な合弁先選定基準】

● 現地での販売力、ネットワーク
● 政府関係者との人脈、交渉能力
● 経営管理能力
● タイ人従業員のコントロール能力


② 合弁相手の信用調査

タイにおける信用調査方法は、次の方法が考えられます。

【合弁相手の信用調査】

● 合弁相手の会社登記書類と財務諸表の入手~財務データの信憑性は考慮すべき
● 合弁相手の日系顧客やサプライヤー、同業者からの情報
● JETROや日系の銀行、商社からの情報

 信用調査会社の活用~財務データの信憑性については留意が必要です。

 

③ 合弁契約書の作成

タイの法律や商憤習を考慮すべきであるため、タイの法律事務所の支援を得て作成するのが良いでしょう。

合弁契約書の主な記載項目は次の通りです。

  【合弁契約書の主な記載項目】

● 会社の目的
● 新会社の設立
● 株式及び株主
● 新会社の経営および運営(株主総会運営、取締役人数・役割・報酬・諸権限、取締役会運営など)
● 資金調達(借入)
● 会計及び監査
● 費用負担
● 競業避止
● 権利の譲渡
● 株式の譲渡
● 秘密保持
● 契約の終了
● 契約の期間
● 通知義務
● 仲裁条項
● 準拠法

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投資形態

1)概要

 外国企業がタイに進出する場合には、既存の企業へ資本参加するほか、以下のような形態があります。

現地法人

株式会社

パートナーシップ

外国法人

支店

駐在員事務所

アジア地域事務所

現在、日系企業の多くは現地法人である株式会社またはパートナーシップの形態で進出しています。

 

2)株式会社

 株式会社は、3名以上の株主で構成される会社です。株主はすべて出資金の額まで有限責任を負います。設立時に登録資本金に相当する株式をすべて発行し、各株式額面の25%以上払い込めば会社は成立します。ただし、タイ投資委員会(BOI)の奨励事業を営む企業の場合は操業開始までに全額払い込む必要があります。なお、日系企業の殆どが株式会社の形態で進出しています。

 

3)パートナーシップ

 パートナーシップは、民商法典(CCC)に基づき、普通パートナーシップと有限パートナーシップの2種類に分かれます。

【タイのパートナーシップの種類】

    

普通パートナーシップ

有限パートナーシップ

特徴

 

● すべてのパートナーが会社のすべての義務を共同で完全に負う。
● 法人として登録しなくてもよい(法人として登録するか否かで、普通パートナーシップは以下の2種類に分けられる)。

 ● 有限パートナーシップには、以下の2つの形式がある。

種類(形式)     

 

 

 

種類

● 非登録普通パートナーシップ
(法人の資格がなく、税務上個人として扱われる。)
● 登録普通パートナーシップ
(商業登記官に法人として登録され、法人として課税される。)
 

形式

● 1人または複数の株主が会社に払った金額のみに個人責任が限定される形式

● 1人または複数の株主が共同して無限に会社のすべての義務に責任を負う形式 (有限パートナーシップを登録する必要があり、法人として課税される。)

 

4)外国法人-支店

 外国企業がタイにおいて支店を設置するためには、タイの商務省から外国人事業許可を得なければなりません。しかし、審査手続で詳細な申請書類の準備が必要となる上、活動範囲の制限が多く、また、実質的にはほとんど事業許可が得られません。たとえ取得できた場合でも、活動内容の報告を随時行う必要があり、事務作業が煩雑です。なお、支店は現地法人と同様に、タイの法人税が課税されます。

 

5)外国法人-駐在員事務所

 駐在員事務所は、外国の法人がタイにおける以下の5つの活動を行うことを目的として設立され、一切の収益事業は行えません。

 【駐在員事務所の活動範囲】

● 本社がタイで買い付ける商品やサービスの情報を入手すること
● 本社が製造を行うためにタイで購入した商品の品質及び数量をチェック並びに管理すること
● 本社がタイの代理店又は消費者に販売する商品に関してアドバイスすること
● 本社の新商品やサービスについて情報提供すること
● 本社向けに、タイのビジネス情報に関するレポートを作成すること

 これらの活動は、外資規制の対象であるサービス活動とされ、商務省から外国人事業許可を取得する必要があります。支店同様、手続は煩雑で、最終的な認可まで3か月程度を要します。駐在員事務所は、収益事業を行えないため利益はありませんが、法人税のID 番号を取得し、法人税申告書と監査済み財務諸表を税務当局に、監査済み財務諸表を商務省事業開発局に提出することが要求されています

 

6)外国法人-アジア地域事務所

アジア地域事務所は、タイ及びアジア地域(40か国)のグループ会社に対して次のサービスを提供することを目的として設立され、一切の収益活動は行えません。

 【アジア地域事務所】

● 業務の調整や管理監督
● コンサルティングやマネジメントサービス
● 人事研修や人材開発
● 財務マネージメント
● マーケティングや販売促進計画に関する管理
● R&Dサービス

 商務省を外国人事業許可を取得することや法人税IDの取得、監査済み財務諸表の税務当局や商務省事業開発局への提出は全て前記の駐在員事務所と同様になります。

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BOI投資恩典の活用

(1)  BOIBoard of Investment: 投資委員会)とは

 BOI (Board of Investment:投資委員会)とは、タイへの投資を促進するためのインセンティブを提供する政府機関です。タイ政府の基本経済政策である投資奨励を推進するために、投資奨励法に基づき設置されています。投資奨励法は、投資奨励業種リストに掲げられている業種の新規投資を奨励する法律です。

 

(2投資奨励業種

 投資奨励法では、投資奨励業種として、次のような7セクション(129業種)が指定されています。

 【投資奨励業種】

① 農業および農産品からの製造業

② 鉱山、セラミックス、基本金属

③ 軽工業

④ 金属製品、機械、運輸機器

⑤ 電子、電気機械産業

⑥ 化学工業、紙及びプラスティック

⑦ サービス、公共事業


また、BOIは、上記に指定された業種の中からタイによって重要とみられる業種を「特別重要業種」あるいは、「特別重要かつ国益をもたらす業種」として、特に厚い特典を付与しています。

 

(3BOIの投資恩典 

 BOIによる奨励企業の認可を受けると、以下のような特典が付与されます。なお、立地条件その他の奨励条件を満たす新規投資のみが奨励対象で、原則的に、すでに開始している事業は奨励しません。また、進出地域によって恩典の程度は異なり、首都バンコクから距離が離れる地域ほど恩典内容が充実しています。ただし、「特別重要業種」あるいは、「特別重要かつ国益をもたらす業種」については、進出地域とは無関係に恩典が付与されます。

 尚、このバンコクから遠隔地ほど手厚い恩典制度は、ハイテクやバイオ、研究開発といった高度な技術を要するものほど厚い恩典を与える制度への改正に向けて検討が進められています。

 BOIの投資恩典】

● 税制上の恩典(次表参照)

● 外資企業の土地所有

● 特定のサービス業の外資100%所有許可(外資規制を回避できる)

●VISAやワークパーミット上の便宜

 上記、税制上の恩典のうち、主なものは以下のとおりです。

● 機械や原材料に課される輸入関税の減税・免税

● 1 ~8 年間の法人税の免除

● 輸送・電気・水に関する費用に係る課税所得からの二重控除

● 法人税の免除期間に、免税利益を原資に配当する場合の源泉税(10%)の免除、など

その他の優遇策も多くありますので、事前にBOIの制度を検討することが重要です。


(4) BOIの投資恩典活用上の注意

 BOIの投資奨励は会社に対してではなく、プロジェクトに対して行われます。よって、その他の事業に関しては恩典の適用はありません。投資恩典を受けたプロジェクトについては損益を区分して管理することが求められます。

 

 

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事業活動に関係するタイの主な法律

1)概要

 事業活動に関係するタイの主な法律と監督官庁は次表のとおりです。

【企業活動に関係する主な法律と監督官庁】

 

法律

企業活動

監督官庁

民商法典(Civil & Commercial Code:CCC)および外国人事業法

会社の設立・登記・運営

商務省

投資奨励法

投資恩典の取得

工業省投資委員会

工場法

工場の設置・操業・管理

工業省

土地法、工業団地公団法

土地の取得

内務省の土地局、工業省工業団地公団

労働者保護法(Labor Protection Act)、労働関係法(Labor Relations Act)、外国人就労法、労災補償基金法、労働者技能開発促進法、労働の安全衛生及び環境に関する法律

労働者関係

労働省

移民法

入出国

内務省

社会保障法

社会保険

労働省

関税法

輸出入通関、関税

財務省関税局

歳入法典(Revenue Code)

個人所得税、法人税、VAT、印紙税、特定事業税

財務省歳入局

為替管理法

外国送金

タイ国中央銀行(The Bank of Thailand: BOT)

会計法

会計、監査

商務省

製造物責任法

製造物責任

首相府

商標法

商標権

商務省知的財産局

 

2)民商法典および外国人事業法Civil & Commercial CodeCCC  &  Foreign Business Act: FBA

タイで事業活動を行う法人は、民商法典の規定に従い活動しなければなりません。さらに、日本人または日本企業としてタイで事業を始める場合には、外国人事業法の規制がないかどうか調べる必要があります。

● 民商法典(Commercial Code:CCC

民商法典は、タイの基本法で、民法と商法が一体化した法律です。いわゆる会社法に該当するのは、「Book3 Title22 Chapter4 非公開株式会社(Limited Company)」の章です。なお、公開会社株式法に基づく公開株式会社と区別するために、非公開株式会社と呼ばれています。

● 外国人事業法(Foreign Business Act:FBA

外国人事業法は、外資事業規制の基本法です。外国人事業法は、「外国人」が行ってはならない「規制業種」を規定しています。会社の場合は、外国資本額が総資本の50%以上の場合に外国企業とみなされ、この法律の対象となります。よって、タイ51%,日本49%の場合の合弁企業はタイ資本の企業となり、この法律の規制を受けません。

なお、 外資事業規制の詳しい内容については、「第II章1.外資事業規制」をご参照下さい。

 

3)投資奨励法(Investment Promotion Act)

投資奨励法は、タイの産業振興を目的として制定され、新規事業のための企業の設立を奨励し、特典を付与しています。特典には、税制上の特典の他、新規事業を立ち上げる際の土地の所有、外国人労働許可等の便宜供与も含まれます。奨励を受けるためには、奨励対象事業について、投資委員会(Board of Investment: BOI)への奨励申請を行い、審査を受けた後、認可を受ける必要があります。


4)工場法 (Factory Act)

工場法は、工場の操業と日常の運営管理を規制する法律です。規制対象となるのは、5馬力以上の機械および7名以上の労働者を有する工場で、操業前に操業許可証(ファクトリーライセンス、有効期間5年)を取得する必要があります。

工場の新設時だけでなく、工場内の変更、拡張時にも許可申請が求められるため、注意が必要です。また、日常の運営に関しては、操業状況に関する月次および年次報告書の提出義務や、事故による死傷者の発生や7日以上の操業不能などの際の通知義務があります。

 

5)土地法、工業団地公団法 (Land Code & IEAT Act

● 土地法(Land Code

土地法は、土地の取得、所有権登記、売買を規制する法律です。この法律では、原則として、外国人もしくは株式会社で外国人株主が半数を超える場合、土地所有を禁止しています。ただし、投資委員会(BOI)の投資奨励を受けた場合や工業団地公団(IEAT)所轄の工業団地に入居する場合は、土地を所有することが可能です。

● 工業団地公団法(IEAT Act

工業団地公団法は、投資奨励法と並び、タイの外資誘致政策の一環として制定されたものです。工業省に属する国営企業である工業団地公団(IEAT)の設立と目的、業務に関して規定しています。IEATは、工業団地の造成、工業団地関連のインフラの整備、工業団地の管理・運営等の業務を、独自あるいは民間企業と共同して行うこととされています。


(6) 労働法Labor Protection Act

● 労働者保護法(Labor Protection Act

労働者保護法は、労働者の保護を目的として制定され、日本の労働基準法とほぼ同様の内容となっています。就業規定、年少労働者の保護、及び、労働時間・休暇、賃金、時間外労働、解雇補償金、退職積立基金等の労働条件を定めています。タイ人従業員の採用、人事考課等で重要な法律です。

● 労働関係法(Labor Relations Act

労働関係法は、労働組合、労使紛争の仲裁、調停、ストライキの規則について定められています。労働組合が組成された場合や労働争議に発展した場合に必要となる法律です。

● 外国人就労法(Alien Working Act

外国人就労法は、外国人の労働許可証取得の際に拠るべき法律で、外国籍の者は、この法律による許可なしにタイで就労することができません。この法律に基づく労働省省令では、39の業務について外国人の就労が禁止されています。

● 労働者技能開発促進法 (Labor Skill Development Promotion Act)

この法律は、労働者を100名以上雇用する企業に適用する製造業に適用され、労働者の50%以上が、労働省により適格と認められる研修を受けていない場合、「労働者技能開発基金」への拠出が義務付けられます。

 上記の他、労働に関連する法律としては、下記(8)の社会保障法、労災補償基金法、労働の安全衛生及び環境に関する法律等があります。

  

7)移民法(Immigration Act

移民法は、外国人の入国許可(ビザ)に関して規定する法律です。上記外国人就労法に基づく労働省省令で就労が禁止されている業務については、それに直接従事するという形ではワークパーミットは取得できません。詳細は、「第II章9 日本人のビザとワークパーミット」の項を参照して下さい。


8)社会保障法(Social Security Act

 社会保障法は、医療保険、児童手当、老齢年金、失業保険を含むタイの社会保険に関する法律です。


9)関税法(Custom Act

 関税法は、輸出入関税に関する法律です。

 

10) 歳入法典(Revenue Code

 歳入法典は、タイの税法に当たります。個人所得税、法人税、VAT、印紙税、特定事業税を規定しています。詳細は、「第II章10~13」、及び、「第III章 11」をご参照下さい。

 

11)為替管理法(Exchange Control Act

為替管理法は、タイ国外との資金の送金を規制する法律です。タイは現在、金融市場の拡大を目的として規制緩和の方向にあるため、よく改正が行われています。また、この法律の他にも、タイ中央銀行(Bank of Thailand: BOT)から市中銀行に対して通達が発行されています。なお、送金に関しては、実需があれば原則自由です、相殺も原則として可能です。


12会計法(Accounting Act

会計法は、すべての株式会社等に対し、適正な会計記録の保持と財務諸表の作成、及び、それらに対する監査を義務付けています。以下は主な規定です。

【会計法の主な規定】

● 貸借対照表、損益計算書に加え、キャッシュフロー計算書、剰余金計算書、株主持分変動表の作成が義務付けられている。

● 商務省は、適用が強制される会計基準を定めている。

● 登録資本5百万バーツを超える会社、総資産30百万バーツを超える会社等の会計責任者は、4年生大学の会計学科を卒業していなければならない。

● 会計責任者を商務省事業開発局に登録する義務がある(なお、会計職法に基づき、会計職連盟に入会または登録しなければならない)。

● 会計記録と関係書類の保管義務は、決算日から5年間である。

● 会計記録はタイ語で行わなければならない。ただし、外国語とタイ語訳の併記は認められている。

なお、上記のように、会計法上、会計記録はタイ語、または、外国語とタイ語訳の併記と規定されていますが、歳入法で、VAT記録(付加価値税記録)である売上記録、仕入VAT記録、棚卸資産、タックス・インボイスを英語で作成することが認められたことにより、英語のみの会社が増加しているのが実情です。


13製造物責任法Unsafe Goods Liability Act

タイでは、製造物責任について、「危険な製造物による損害に対する責任に関する法律(製造物責任法)」が2009年2月に施行されています。時効は「責任を負うべき事業者を特定した日から3年」または「物品販売日から10年」と非常に長期です。また、この法律に基づき損害賠償訴訟が生じた場合、立証責任が事業者側にあるので注意が必要です。


14商標法Trademark Act

商標は、この商標法に基づき、商務省知的財産局に登録すれば保護されます。対象となる商標は、ブランド、名前、単語、文字、写真、絵、図、マニュアル、署名、色の組合せ、物の形等です。登録手続は先願主義で、先に出願した者が優先されます。出願が受理されると、商標官報にて発表され、90日以内に異議申立てがなければ登録されます。登録商標は、出願日から10年間保護され、更新も可能です。


15)租税条約や経済連携協定

以上では、タイの法律を概観しましたが、以下のタイと日本との租税条約や経済連携協定についても理解を深めておく必要があります。

● 租税条約(Double Taxation Agreement: DTA)

二国間の二重課税を排除するための条約です。詳しくは、「第III章12.日本とタイの租税条約」をご参照下さい。

経済連携協定 (Economic Partnership Agreement: EPA)

物品及びサービスの貿易の自由化及び円滑化、自然人の移動、相互承認の円滑化、知的財産の保護、政府調達分野における協力の拡大等について二国間で締約した協定。2007年11月1日に発効。タイで輸出入ビジネスを行う場合は、この協定による関税上の特典が活用できるか検討が必要です。

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為替管理

(1) 所轄機関

為替管理については、財務省が管理監督責任を、タイ中央銀行(Bank Of Thailand: BOT)が財務省の委任を受けて実務の運用を行っています。法令は、1942年公布の外国為替管理法と、1954年発令の財務省省令を基本法令として、財務省とBOTが発令した省令、告知、通達等に従い、実務の運用がなされています。

外国為替管理については、1990年5月のIMF8条国加盟後に自由化が進み、外貨送金規制、海外投資規制が現在では大幅に緩和されています。


(2) 貿易取引規制

① 輸出取引

輸出を行った場合の代金は360日以内に決済される必要がありますが、それが外貨である場合、従来は、受領後15日以内にバーツへの両替又は外貨預金口座への入金が要求されていたものの、2007年7月に撤廃され、現在は制限がありません。

輸出代金が1件5万米ドル相当以上の外貨建て輸出決済については、外為銀行へ外為フォーム(Foeign Exchange Transaction Form)を提出する必要があります。

② 輸入取引

輸入を行った場合の支払いについては、有する外貨預金口座から外貨で行えます。輸入代金が1件5万米ドル相当以上の外貨建て輸入決済については、外為銀行へ外為フォーム(Foeign Exchange Transaction Form)とインボイスの提出が必要です。

 

(3) 貿易外取引規制

① 受取の場合

バーツで受け取る場合には制限がありません。

外貨で5万米ドル相当以上受け取る場合には、外為銀行へ外為フォーム(Foeign Exchange Transaction Form)を提出する必要があります。

② 支払の場合

バーツ建て、外貨建ていずれも制限がありませんが、送金の目的や根拠資料を外為銀行に提出する必要があります。5万米ドル相当以上の外貨建て決済については、外為銀行へ外為フォーム(Foeign Exchange Transaction Form)を提出する必要があります。

 

(4) 資本取引規制

① 資本流入

バーツ建て、外貨建ていずれも制限がありません。5万米ドル相当以上の外貨建ての場合は、外為銀行へ外為フォーム(Foeign Exchange Transaction Form)を提出する必要があります。

② 海外投資

海外への投資及び貸付のための外貨建て送金の上限金額は次の通りです。

【外貨建送金上限金額】

送金内容

上限金額

● 海外のタイ子会社及びタイ関連会社(10%以上の出資)への投資又は貸付

制限なし

● 海外の親会社及び親会社の関連会社への投資又は貸付

制限なし

● 海外不動産投資

1,000万米ドル

 

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金融事情

(1) 金融機関の構成

 ①    タイ中央銀行(BOT

従来は財務省の監督下でしたが、2008年の制度改正により、専門家により構成される監督委員会により管理が行われ、独立した運営を行っています。

 ②    政府系金融機関

The Gouvernment Housing Bank、The Gouvernment Saving Bankなど計8行あります。

 ③    商業銀行

政府系として、Krung Thai Bank、The Siam City Bankなど2行、民間系としてはBangkok Bank、Kasikorn Bank、Siam Commercial Bank、Bank of Ayuttaya、TMB Bankなど15行、計17行あります。

 ④    外国銀行の支店

みずほ、三井住友、三菱東京UFJの3行のみになります。

 ⑤    日系邦銀の駐在員事務所

国際協力銀行、日本政策金融公庫、三井住友信託などが従来から駐在員事務所を有していましたが、近年は商工中金、信金中金、多くの地方銀行が駐在員事務所を設置するに至っています。

 

(2) 外国銀行の取扱い業務

日系の3行は、運用、調達、外国為替、銀行保証、金利スワップ等のリスクヘッジ商品の提供、キャッシュマネジメントサービスなどフルバンキング業務を提供しており、関係会社においてもリースや出資、進出アドバイザリー業務を営んでいます。

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資金調達

(1) 借入の種類

短期資金

運転資金の調達で1年以内に返済する予定の資金ですが、当座貸越(Over Draft)と手形貸付(Promissory Note)とが一般的です。

中長期資金

主として設備投資資金や、長期の運転資金として資金繰り安定化のための資金ですが、手形貸付か証書貸付(Term Loan)が一般的です。

 

(2) 現地銀行(タイ系、外資系)・邦銀現地支店等からの資金調達

● 通貨:バーツ建て、外貨建ていずれも可能。

● 期間:資金使途に応じて短期から長期まで。

● 金利:当座貸越優遇金利(Minimum Lending Rate: MLR)が基準となり、信用力に応じてスプレッドが上乗せされます。

● 使途:短期・長期ともに対応されています

 

(3) 親会社からの資金調達

 ① 契約

一般的な契約条件(通貨と金額、期間、使途、返済、金利、税金など)が記載された契約書を作成します。言語は英語が良いでしょう。

金利は、貸出側と借入側両国の「移転価格税制」に留意すべきですが、親会社の所在する国の通貨建て(外貨建て)の場合には、親会社の国で一般に調達できる金利水準とし、バーツ建ての場合には、タイで一般的に調達できる金利水準に設定します。

日本の親会社から借入れる場合、金利の送金時に15%の源泉税が課税されますが、この源泉税の負担については契約で明記しておくべきでしょう。

② 借入れ時のタイ中央銀行(Bank Of Thailand: BOT)への報告

親会社が送金する際、送金用紙に「Loan」であることを明記し、後日BOTに資金使途の報告をする時に備えます。

尚、借入れが外貨建てで5万米ドル相当以上の場合、ローン着金時、Foreign Exchange Trasaction Form による報告を外為銀行に行う必要があり、その際には親子ローンの契約内容を記載する必要があります。

③ 借入金返済時の留意事項

返済時には次の資料が必要となります。

● タイバーツ建ての場合は銀行から発行されたCredit Advice

● 外貨建てで金額が5万米ドル相当以上の場合、借入時に提出したForeign Exchange Trasaction Form

● 借入契約書

● 返済の請求書(Invoice か Debit Note)

● Foreign Exchange Trasaction Form

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外資事業規制

日本企業がタイに投資をする際に、まず考慮すべきなのが外資事業規制です。

外資事業規制とは、タイの現地企業の保護を目的としたもので、外国企業が事業を行えない業種、外国企業が土地を所有することの禁止などが定められています。

 

(1)外国人の定義

この外資事業規制は、外国人事業法のもとに規定がなされていますが、外国企業等は「外国人」として定義されています。

【外国人とは】

①     タイの国籍を有しない個人

②     タイ国で登記されていない法人

③     タイ国で登記されている法人で、以下の法人

a. 「①、②」、あるいは「①、②が資本の50%以上を有する法人」が、資本の50%以上を保有する法人

b. ①の者を管理パートナー又は管理者とする有限パートナーシップ又は登記済普通パートナーシップ

④     「①、②、③」あるいは「①、②、③が資本の50%以上を有する法人」が、資本の50%以上を保有する、タイ国で登記された法人

簡潔に言うと、外国人や外国企業が究極的な株主として、それらが50%以上の資本を有している場合には、そのタイ法人は外資事業規制の対象となるということです。

なお、この法律では、議決権については一切触れていません。従って、資本の所有は外国人が49%、タイ人の株主が51%であったとしても、タイ人株主に優先株を発行して、たとえば議決権を10株につき1議決権とすることで、外国人による実質支配を行うことが法律上の解釈からは可能と考えられます。

 

(2)規制される事業

外国人事業法第8条では、規制事業を、規制の度合に応じて3つに分類しています。

【外国人事業法により規制される事業】

 

規制度合

業種

リスト1

絶対禁止(それぞれ特別の理由から外国人が行うことを禁止する事業)

① 新聞事業、ラジオ局・テレビ局事業

② 稲作、畑作、園芸

③ 畜産

④ 林業および天然森林資源からの製材加工

⑤ タイ領海およびタイ国経済域内における漁業

⑥ タイ産ハーブ製品の製造

⑦ タイ古美術品や歴史的に価値のある物の取引および競売

⑧ 仏像の製造・鋳造および托鉢用の鉢の製造

⑨ 土地の売買

リスト2

禁止(「国家の安全保障、伝統芸術・文化・工芸、天然資源または環境に影響を及ぼす事業」として、内閣の承認に基づく商務大臣の許可が必要とされている事業)

第1種:国家の安全保障に係る事業

① 以下の製造、販売、修理、保全

    a. 銃火器、弾薬、火薬、爆薬

    b. 銃火器、弾薬、爆薬の構成部品

    c. 武器、軍艦、軍用飛行機、軍用車両

    d. 軍事用の機具、部品その他すべての部品

② 国内における陸運、水運、航空事業を含む空運

第2種:伝統芸術・文化・工芸に影響を与える事業

① タイの美術・工芸である骨董品・美術品の取引

② 木彫品の制作

③ 養蚕、タイシルクの製糸・織布・染め

④ タイ楽器の制作

⑤ 金細工品・銀細工品・ニエロ細工品・金象眼細工品・漆器の制作

⑥ タイの美術・文化である陶器の制作

第3種:天然資源・環境に影密を及ぼす事業

①   さとうきびからの製糖業

②   塩田からの製塩業

③   岩塩採掘

④   発破・破砕を含む鉱業

⑤  家具・家庭用品の木材加工業

リスト3

禁止(「外国人との競争力がまだ十分ではない事業」として、外国人事業委員会の承認に基づく商務省事業開発局長の許可が必要とされている事業)

(*許可事例はありますが、一般的に難しいと言われています。 許可を受けた場合には、外国人事業ライセンス (Foreign Business License, FBL) が発行されます。)

① 精米および米・穀物の製粉

② 水産物の養殖

③ 植林による林業

④ 合板、ベニヤ板、チップポード、板紙の製造

⑤ 石灰の製造

⑥ 会計業務

⑦ 法律業務

⑧ 建築設計

⑨ エンジニアリング

⑩ 以下の場合を除く建設業

 a. 特殊な道具、機器、技術、熟練工が必要な公共施股や公共機関の建設で、5億バーツ以上の外国資本を有する場合

b. 省令で定められたその他の建設

⑪ 以下の場合を除く仲介業または代理業

 a. 証券売買、商品・金融商品・その他金融先物商品の仲介または代理

 b. 関係会社間における製造、サービスに必要な物品やサービス取引の仲介または代理

c. 国際事業としての形態を有し、タイ国内製品または輸入製品の販売のための国内外双方の取引の仲介または代理で、1億バーツ以上の最低資本を有する場合

 d. 省令で定めるその他の仲介または代理

⑫ 以下を除く競売

 a. タイの美術品、工芸品、骨董品、歴史的価値のある物以外の物の国際入札形式の競売

 b. 省令で定めるその他の競売

⑬ 法律で禁じられていない国内農産物の国内取引

⑭ 最低資本1億バーツ未満または1店舗当たりの最低資本が20百万バーツ未満の小売業

⑮ 1店舗当たり最低資本が1億バーツ未満の卸売業

⑯ 広告業

⑰ ホテル管理業を除くホテル業

⑱ 観光ガイド業

⑲ 飲食業

⑳ 植物の種苗・育種業

21 省令で定められたサービスを除くその他のサービス業

 

なお、商務省の解釈では、上記の最低資本とは登録資本を意味し、100%の払込みが必要とされています。

 

3)名義株主による外資規制逃れと罰則

外資規制事業を営むことを目的として、知り合い等のタイ人に資金を融通し名義株主(ノミニー)になってもらい、登紀上はタイ企業として外資規制逃れを行っているケースが見受けられます。しかしこの方法では、外国人事業法上の違法行為として摘発され、禁固刑や過料又はその双方の罰則を受けるリスクがあるので注意が必要です(外国人事業法第36条)。



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資本形態~配当政策、低税率国からの投資活用

日本からタイへ投資をする場合、日本の親会社が直接出資してタイ会社を設立するのか、それとも他国の子会社を経由して間接投資とするのかの選択があると思います。

親会社と子会社のトータルの法人税を最小化するという視点からは、軽課税国に中間法人を置いて、そこから投資を行う方法が考えられます。

           

日本親会社

   ↓  出資

軽課税国の子会社

   ↓  出資

タイ子会社

         

この形態で投資をしただけではメリットは享受できませんので、軽課税国の子会社に利益を落とす仕組み(下記は例)を考える必要があります。

 【軽課税国の子会社に利益を落とす仕組み】

● タイ会社の生産計画や販売計画といった日本の所轄事業部が行う業務を行い、その報酬をタイ子会社等から回収する

● 域内の販売統括会社として商流を通し、利益を落とす仕組みにする

● タイ子会社に対し内部監査や財務といった間接業務を行い、報酬を得る

● 試験研究開発機能を置き、ロイヤリティー報酬を得る仕組みを構築する

といった方法により、日本の所得を減らす又は経費を増やす仕組みを整えることで、高税率の日本の所得を軽課税国に移転させることが考えられます。

 もちろん、これら仕組みを形成する段階では、日本の移転価格税制(注1や外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)(注2を考慮し、合法的な仕組みとしなければ意味がありません。

その際には、人の移動も含む本社の機能や負担しているリスクの根本的見直しが必要になることもあるでしょう。

しかしながら、海外展開をきかっけにして、国内外の全社連結ベースでの利益極大化のために、税コストの最小化を図る視点がこれからは重要になると考えます。

(注1) 移転価格税制:あるべき移転価格で海外子会社と取引をすることを求める税制のこと。あるべき移転価格とは、親会社と海外子会社が、共に適正な利益を確保できる、親会社と海外子会社間の取引価格をいう。

(注2) 外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制):タックス・ヘイブン(租税回避地の意味で、日本の税法上、法人税率が20%(2010年3月31日以前は25%) 以下の軽課税国)に子会社を設立し、これを利用して税負担の不当な軽減を図ることを防止する制度。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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BOIへの投資奨励申請手続きと提出書類

BOIへの投資奨励申請手続の流れは以下のとおりです。

情報収集・投資事業の決定

申請書の入手(BOIのHPで入手可) 

申請書の作成

申請書の提出

(タイにあるBOIまたは日本にあるBOI事務所へ)及びBOI審査担当官のインタビューの予約

(申請書提出後10営業日以内)

BOI審査担当官によるインタビュー

BOIの委員会による認可通知書の発行

(奨励の特典と条件の詳細)

BOIの委員会による案件の審査

認可通知書の奨励内容を受諾するかの回答

(通知受領後1か月以内)

奨励証書の発給申請

(奨励内容受諾の回答後6か月以内)

BOIによる奨励証書発給

(完備した発給申請書類提出から10営業日以内)

 

 BOIへの投資奨励申請手続と提出が求められる書類は、以下のとおりです。

 ● 申請書の提出

申請書(Board of Investment Application For Promotion)は、BOIのホームページで入手できます。当該申請書は英語で記載が可能なPDFファイルです。提出先は、タイ本国のBOIまたは、日本にあるBOI事務所です。

 記載事項は、申請者、資金、投資計画、生産計画、原材料仕入計画、人員計画、販売計画、初期3年間の予想損益計算書等です。

 添付資料は、製品の写真、イラストまたはカタログ、(写真付)工程表、会社概要、本社概要、本社財務諸表などです。この工程表は、材料の入荷、検査、出荷までの詳細を記載する必要があります。そして、投資奨励の認可後は、遵守する義務があります。また、機械・設備の導入にあたっては、この工程表に必要なものが許可されますので、そのことを念頭に申請書を記載する必要があります。

 親会社等が使用した中古機械を輸入する場合は、すべて「船積み前検査証明書」を検査機関である(社)日本海事検定協会や(財)新日本検定協会から入手し、申請書に添付する必要があります。尚、10年を超えた設備は関税の免税等恩典の対象外となっています。

 

● BOI審査担当官によるインタビュー

申請者は、申請書提出後10営業日以内にBOIに連絡して審査担当官とインタビューのアポイントメントをとります。インタビューは、委員会へ案件を上げるための内容の確認と追加的情報の入手を目的として行われます。インタヴュー内容は、製品の詳細、製造工程など、技術的なことや現在の事業内容のヒアリングで、2時間程度行われます。 


 ● 委員会による案件審査

審査担当官のインタビュー結果のレポートは、委員会に提出され審議されます。この場合、投資額により担当する委員会が異なります。

 【投資額と担当する委員会】

投資額

担当する委員会

投資額が2億バーツ以下

完備した書類が提出された後、40営業日以内に、BOI事務局の内部委員会(OBOI)により行われる。

投資額が2億万バーツ超、7億5,000万バーツ以下

完備した書類が提出された後、60営業日以内に、BOI小委員会により行われる。

投資額が7億5,000万バーツ超

完備した書類が提出された後、90営業日以内に、BOI小委員会及び本委員会により行われる。

上記の内部委員会と小委員会は毎週、本委員会は原則毎月1回開催されます。

 

● 認可通知とそれに対する回答

BOIの委員会でプロジェクトが認可されると、その旨が文書により、連絡人に通知されます。認可通知書には、恩典と条件が、タイ語で記載されています。この通知受領後、1か月以内に通知内容に同意するか否かを回答します。

どういった条件が付されているか、内容をしっかりと確認しておくことが重要です。


● 奨励証書の発給

認可通知への回答と同時に、奨励証書の発給申請を行います。この申請は現地法人の責任者名義で行う必要があります。よって、奨励の申請にあわせて、タイミングを考慮し現地法人の設立準備を進めておくことで、能率的に操業・開業することが可能になります。

 奨励証書発給申請は、BOI事務局(OBOI)に、認可通知を受諾すると回答した日から180日以内に行う必要がありますが、実務では同時に行うのが通常です。申請時に提出する書類は以下のとおりです。

● 奨励証書発給申請書

● 法人登記簿謄本

● 法人登記証明書

● 会社株式登記事務の保証書(タイ商務省発行)

● 株主およびその国籍のリスト

● 海外からの資金送金を証明する書類(Credit AsviceやFoeign Exchange Transaction Form)

● 合弁事業契約、ライセンス契約、技術援助契約及び/又は技術移転契約(該当する場合のみ)

【BOI奨励証書発給申請書類】

 奨励証書は、発給申請から10営業日以内に発給されます。なお、BOIによる恩典は、原則この奨励証書受領後に受けることができます。機械・器具について税金・関税の減額または免除を受ける場合には、受領後30か月以内に輸入する必要があります。また、建設、機械・器具の導入、工場の操業は、受領後、36か月以内に行うことが求められてます。

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BOI投資恩典の活用(販売会社やサービス業のケース)

(1) 概要

 BOI投資奨励業種7つのうち、7番目の「サービス、公共事業」(奨励事業セクション7)に帰属する(1)国際調達事務所、(2)地域統括本部、及び、(3)貿易ならびに投資支援事務所については、外国人が株式を100%所有することが認められているため、多くの日本企業が投資恩典を申請し認可を受けています。ただし、認可を受けた事業以外のサービス業はできないことに注意が必要です。

【奨励事業セクション7】

● 国際調達事務所 (International Procurement Office: IPO)

● 地域統括本部 (Regional Operating Headquarters: ROH)

● 貿易ならびに投資支援事務所 (Trade & Investment Support Office:TISO)

 

(2) 国際調達事務所 (International Procurement Office: IPO)

 国際調達事務所は、仕入・販売を行う商社業のための奨励事業です。輸入関税が免除となるため、輸入した原料や部品を販売する場合に適しています。

 【国際調達事務所 (International Procurement Office: IPO)

対象事業

● タイ国内に倉庫を有すること(賃貸可)

● 特に輸出主体のBOIメーカーに対して原料や部品を販売している商社(輸入税免税恩典を利用した商流維持とコスト競争力確保)

主な恩典

● 外国人株式所有比率100%が認められる

● 輸出用製品の原材料の輸入関税免除

● 機械の輸入関税免除

申請上の主な注意

● コンピュータによる在庫管理システムを有すること(英語またはタイ語の機器仕様書が必要)

● 商品の調達・品質管理・梱包プロセスがあること(アウトソーシングも可能だが監督は必要)

● タイ国内と国外の調達先を複数有することタイ国内からの調達比率は10%以上 (3年内)

● 最低1千万バーツの登録資本が必要

 

(3) 地域統括本部 (Regional Operating Headquarters: ROH)

地域統括本部は、グローバルに事業展開している企業の資本をタイに集中させることを目的とした奨励です。以下のいずれかの事業内容について申請が可能です。アセアンまたはアジアの統括拠点として機能する必要があるため、対象となるのは比較的大規模の法人です。2010年に申請条件の一部緩和と投資の恩典の見直しが行われ、新旧二つの基準が併存しています。

 地域統括本部 (Regional Operating Headquarters: ROH)

対象事業

● 一般事業管理

● 原材料/部品の調達サービス

● 製品の分析・開発

● 技術援助

● マーケティング

● 地域内の人材管理・訓練

● 財務アドバイス

● 経済/投資に関する指導、経済・投資分析

● 与信業務の統括

● その他サービス

主な恩典

【旧基準】

● 外国人株式所有比率100%が認められる。

● 機械の輸入関税免除(研究開発またはトレーニング用)

● 関係会社からの配当収入に対する免税

● 関係会社または支店からのサービス収入、利子、ロイヤルティ-収入に対する法人税率が10%

● 当初4年間、外国人の個人所得税率が15%。

【新基準】

● 配当収入は、10会計期間のみ免税

● 海外関係会社または支店からのサービス収入は10会計期間免税(15会計期間までの延長条件あり)

● 関係会社または支店からの利子、ロイヤルティ-収入に対する法人税率が10%

申請上の主な注意

【旧基準】

● 三か国以上の支店/関係会社の統括をしていること

● 海外からの収入が全体の50%以上

● 最低1千万バーツの登録資本が必要

● 歳入局でROH登録していること。

【新基準】

● 海外関係会社または海外支店の統括を、初年度1か国、3年以内2か国、5年以内で3か国という段階的拡張

● 海外からの収入が全体の50%以上

● 払込資本1千万バーツ以上

● 最低1千万バーツの登録資本が必要

● 歳入局でROH登録していること

● 活動費年間1千5百万バーツ以上または資本的支出が年間3千万バーツ以上であること。

● 歳入局の最低限の技術および知識を有する労働者数が全体の75%以上であること。

● 年間給与2千5百万バーツ以上の労働者が5名以上であること。

 

 (4) 貿易ならびに投資支援事務所 (Trade & Investment Support Office: TISO

 以下のサービス業については、申請することで外資100%とすることができ、マジョリティの確保が可能です。ただし、認可を受けた事業以外のサービス業はできないことに注意が必要です。

 貿易ならびに投資支援事務所 (Trade & Investment Support Office: TISO

対象事業

● 関係会社のモニタリング/ サービスの提供

● 事業アドバイス(証券・外為取引を除く)

  (注)会計、法律、広告、建築、建設関係は、事前に外国人事業ライセンス取得が必要

● 商品調達に関する情報提供サービス

● エンジニアリング・技術サービス

● 商品・製品・サービス規格の試験

● 商品輸出

● 機械・道具・設備に関する業務

  ・ 卸売のための輸入

  ・ 教育訓練

  ・ 据付、メンテナンス、補修修理

  ・ 計測器校正

● ソフトウェアの設計開発

● 国内製品の卸売

主な恩典

外国人株式所有比率100%が認められます。

  (注)税務上の恩典はありません。

申請上の主な注意

年間経費が最低1千万バーツであることが必要。

 

 

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自由貿易協定と関税

(1) タイの自由貿易協定 (Free Trade Agreement:FTA)

自由貿易協定(Free Trade Agreement)は、二国間または地域間(多国間)の協定により、モノの関税や数量制限など貿易の障害となる壁を相互に撤廃し、自由貿易を行なうことによって利益を享受することを目的とした協定のことです。

さらに現在では、モノだけでなく、サービスや投資なども含めたより広範囲な分野での取引の自由化が含まれます。

協定上定められた条件に従う取引については(例えば、原産地証明など)、輸出用か国内販売用かに関係なく輸入関税が減免されるため、以下(3)に記述する輸入関税に関する投資奨励よりも効果があります。

現在、タイで発効されている自由貿易協定は、以下のとおりです。

 【タイで発効されている自由貿易協定】

二国間協定

ASEAN加盟国としての協定

● オーストラリア(タイ-オーストラリアFTA)

● インド(タイ-インドFTA)

● 日本(タイ-日本EPA)

● 米国(タイ-米国FTA)

● バーレーン(タイ-バーレーンFTA)

● ペルー(タイ-ペルーFTA)

● ニュージーランド(タイ-ニュージーランドEPA)

● AFTA(ASEAN自由貿易地域)

● 中国(ASEAN-中国FTA)

● インド(ASEAN-インドFTA)

● 日本(ASEAN-日本EPA)

● 韓国(ASEAN-韓国FTA)

● AANZFTA〔オーストラリア、ニュージーランド〕    (ASEAN-豪NZ・FTA)

 

 (2) 投資奨励としての関税

優遇税制措置は、輸出者の競争上の優位性を高めるために広く利用されています。これまで実行された重要な措置は次の通りです。

①    関税法第19条の2項による輸出のための部品・原材料輸入関税の払戻し

 

輸出した製品に使用した輸入原材料に関し課税された輸入税を還付するもので、輸入の日付から1年以内に、製造、組立てまたは梱包を経て輸出されたものに対して行われます。輸入業者は、輸入税を支払う代わりに銀行保証または財務省によって発行された保証を提出でき、製造された製品を輸出した後に払戻しの手続きが行われます。利用者はあらかじめ税関への登録が必要です。

②    保税倉庫(Bonded Warehouse)に保管された品物に対する関税の減免

再輸出の目的で保税倉庫に保管された輸入品は、輸入された状態のままで輸出されるか、あるいは他の製品として製造、組立てがなされた上で輸出されるかに関わらず、輸入/輸出税および関税の支払いを免除されます。

③    カスタムフリーゾーン(CFZ)へ持ち込まれた物品に対する免税

 

CFZは、産業活動、商業活動または経済成長や経済発展に係る活動のために指定された地域です。輸出製品に使用するためにCFZに持ち込まれた製造のための工場建設資材、機械設備、原材料、部品の輸入関税が免除されます。タイ国内調達率40%を満たせば、輸入関税の減免措置もあります(この措置はIEATフリーゾーンにもあります)。

なお、フリーゾーンの中は、関税の取り扱い上のみ、タイ国外とみなされます。よって、フリーゾーンからタイ国内への物品の搬出は「輸入」とされ、輸入関税、VATが課税され、タイ国内からフリーゾーンへの物品の搬入は「輸出」とされます。

④    IEAT(タイ工業団地公社)のフリーゾーン(注)へ持ち込まれた物品に対する免税

 

(注):IEATのフリーゾーンは従来EPZ(輸出加工区)と呼ばれていたもので、2008年IEAT法改正により名称が変更。

製品の輸出を目的とする産業活動、貿易またはサービス活動に対して便宜を図るために指定された地域です。輸出製品の製造のための工場建設資材、製造用機械設備、原材料、部品の輸入関税が免除されます。

⑤    投資委員会(BOI)恩典による輸出のための物品や原材料の輸入関税に対する免税

BOI奨励企業は、所定の手続きにより、輸出のための製造用の原材料、部品の輸入関税が免除されます。製造用機械設備についても、輸入関税が免除されます。

 

 

 

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タイの雇用

(1) 労働法の基本理解

 タイの労働法に基づく主な労働条件は、以下のとおりです。

 【タイ労働法に基づく主な労働条件】

項目

内容

労働時間

1日8時間以内、週48時間以内

時間外労働

すべての時間外労働は、週36時間まで

休憩時間

1日1時間以上の休憩

週休

最長6日間の勤務後に最低1日

祝祭日

1年に13日以上。事前に従業員に告知の必要があります。

年次有給休暇

● 継続して1年以上勤務した者は、1年目に6日以上の休暇が与えられます。

● 労使合意で繰越は可能で、2年目以降は6日を超える休暇が認められます。

病気休暇

● 1年に30日まで有給休暇として認められます。

● 3日以上連続する場合は、医師の診断書が必要となります。

産休

休日を含めて90日以内。そのうち45日分は有給

時間外労働賃金

● 通常の就労日は通常賃金の1.5倍以上

● 休日の時間外は通常賃金の3倍以上

年次有給休暇の買い上げ

自己都合、会社都合問わず、退職の場合には、未使用分について賃金を支払う必要があります。

 

(2) 最低賃金と最近の給与水準

2013年1月に、最低賃金は、全国一律日給300バーツに統一されました。また2008年の労働者保護法の改正により、職能ごとの最低賃金が最低賃金委員会により定められています。

全産業平均賃金水準(月額)は、2011年において、月額9,927バーツ(国家統計局)で、全般的に上昇傾向にあります。主要産業別(2011年)では、金融業21,944バーツ、電気ガス23,834バーツ、情報・通信業22,509バーツ、農林水産業4,813バーツ、卸売・小売業8,614バーツ、製造業8,361バーツとなっています。

日系企業平均賃金(クラス別月給の中央値)は、製造業の事業部長クラス万123,245バーツ、部長クラス81,700バーツ、課長クラス45,500万バーツ、非製造業の事業部長クラス150,600バーツ、部長クラス80,000バーツ、課長クラス50,000バーツとなっています(2012年4月のバンコク日本人商工会議所調査)。


(3) 募集及び採用手続き

① 募集手続

募集手続は以下の方法が一般的です。

 【募集手続】

人材紹介会社

 

タイには日系の多くの人材紹介会社があります。契約後に、雇用したい人材の情報を記載することで、紹介を受けられます。会社設立当初で事務所がまだ完成していない場合でも、面談のために人材紹介会社の会議室を貸してくれます。職種によっては人材紹介会社が能力試験を行い、ランク付けしている会社もあります。報酬は入社が確定してからの成功報酬で、採用者の月額給与の2か月分としているところが多いようです。

英字新聞

 

Bangkok PostやNationといった新聞には求人広告が掲載されています。英語ができ、求職している人材は週末に購入している場合が多いようであり、週末には多くの求人が掲載されています。

インターネット広告

JobsDB.comやSuper Resumeといった人材募集広告サイトが有名です。ここには「会社紹介」「業務内容」「採用条件」「必要な資格」等を英語でまとめ、掲載します。応募者とのやりとりや面談のアレンジ等はすべて自社になりますので、ある程度、タイ人スタッフが入社されてからのほうが良いかも知れません。

ヘッドハンティング

仕事やプライベートでの知り合い上の中でのタイ人をヘッドハントすることもあるでしょう。後日、取った取らないでのトラブルを避ける配慮が必要です。

合弁相手(タイ会社)の縁故

タイ人パートナーに相談すると、自分の部下や知人等を介し紹介をしてくれるでしょう。ただし、後になって能力が不十分であることがわかっても、解雇しづらいという面があります。

 ② 採用手続き

人材紹介会社での例ですが、採用したい人材が固まったら諸条件面を固め、リクルート会社に連絡し、本人に通知してもらいます。本人の合意が得られれば晴れて入社となりますが、条件面で折り合いがつかない場合はキャンセルされるか、場合によっては再度条件交渉の面談ということになります。

 入社までの期間は在職中であるか否かによりますが、在職の場合、退職には1ヶ月前Noticeの条件を設けている会社が多いので、その期間は待たなければなりません。

晴れて入社いただいた従業員については、次の文書を入社時に準備すべきでしょう。

 【従業員の入社時に準備すべき文書】

● 雇用契約書

● 守秘義務誓約書

● 本人からの提出資料

  ・ 履歴書

  ・ IDカードコピー

  ・ 家屋登記書(タビヤンバーン)

  ・ 卒業証明書

  ・ f婚姻証明書(あれば)

  ・ 兵役免除証明書(男性)

  ・ 社会保険証コピー

  ・ 銀行口座情報

  ・ 扶養家族情報 (lor.yor.01)

  ・ 氏名変更証明書コピー(あれば)

  ・ 身元保証書

③ 採用上の留意点

タイ人の会社に対する帰属意識として、以下があげられます。これらのことを認識したうえで採用活動をすべきで、中途の入社社員は、雇用したわが社にとっても以下の理由ですぐに退職してしまうリスクがあるということになります。

 【タイ人の会社に対する帰属意識】

● 福利厚生を含めた待遇や居心地の悪さ、仕事が向いていないといった理由で容易に退職する

● 現職で給与アップ額は限られるため、より高度な仕事をしたいといった理由で給与アップを望んで退職する(その場合の希望給与は現職より2割以上増やすケースが多い)

● 病気の親の看病のため、会社を退職して帰郷するということも有る 

 したがって、面接のポイントは次のとおりです。

 【面接のポイント】

● 前職での勤務期間が長い社員は、居付いてくれる可能性が高い

● 日系企業での勤務経験者は日本的経営スタイルや指示命令系統、日本語をある程度理解している

● 遠方より時間をかけて通勤していた人材や土曜日残業をしていた人材は根気強い可能性がある

● チャレンジするマインドが本当かどうかは面談で何度も話させてその真意を読み取る

● 経歴書にはどのようなものでも書く傾向があるので、必ず実力を測る質問事項を入れてチェックする

● 相手は自分の英語を聞きとれるか、英語を積極的に話そうとするかを確認する

● 田舎の場所と兄弟構成や親の面倒についても確認する

 

(4) 経理人材と会社経理責任者登録

 ① 経理人材

タイにおける経理人材は、バンコク市内でも恒常的に不足しています。地方となればなおさらでしょう。そのため、他の職種よりも給与水準は相対的に高くなっています。タイ人にとって経理は敬遠される職種のようであり、簿記専門学校や税理士制度が無いこともあって、全体的なレベルも高くはありません。大手の会社の経理に所属していれば、経験年数が7~8年あっても月次締めを行うチャンスもない人材が多く、能力面でも人材不足の状況です。

 ② 会社経理責任者(Bookkeeper)登録

 タイの会計法では、会計記録責任者(Bookkeeper)の登録を要請し、その資格要件を定めています。

 次の会社等は、会計学士(4年生大学卒業資格)以上の学歴を持つ者を最低1名採用し、会計紀録を作成することになっています。

 【会計学士の雇用が必要な会社等】

● 登録資本が5百万バーツを超える非公開株式会社

● 総資本30百万バーツを超える非公開株式会社

● 総収益30百万バーツを超える非公開株式会社

● BOIより投資奨励を受けた会社

● 公開会社

● 金融・証券・保険会社

● 外国法人の支店

● 歳入法上のジョイント・ベンチャー

 上記に該当しない小規模会社については、職業学校や短期大学以上の学歴の者でも会計記録責任者とすることができます。

 会社は、会計記録責任者を会計記録作成開始日より60日以内に商務省へ通知し、タイ会計職連盟(Federation of Accounting Professionals :FAP)に会員として入会させ、商務省指定の研修を毎年一定単位受講させる必要があります。


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日本人駐在員の現地給与

日本人駐在員の現地給与を検討する場合の前提として、まずタイの個人所得税について理解しておく必要があります。

1)タイの個人所得税―課税対象所得

タイ個人所得税の課税原則は以下のとおりです。

 【個人所得税の課税原則】

① 暦年(カレンダー)ベース課税

②「タイの国内源泉所得」は原則としてすべて課税

③「タイの国外源泉所得」は、タイに持ち込んだら課税対象となる。

ここで、「タイ国内源泉所得」の定義は以下のとおりです。

【タイ国内源泉所得の定義】

国内源泉所得

 

・タイ国内における職位・職務による所得

・タイ国内の事業所または事業からの所得

・タイ国内に所在する資産からの所得

 国内源泉所得の判定にあたっては、所得の受領地やタイの居住者か非居住者かは問いません。よって、タイで働いたことで得た給与は、タイ国内源泉所得であり、タイで課税されます。したがって、日本国内で支払われた給与であっても、タイで駐在勤務していれば、現地給与とともにタイで合算申告する必要があります。


2)短期滞在者免税規定(日タイ租税条約第14条)

日本とタイの租税条約では、下記の3つの条件をすべて充たす場合にはタイでの課税が免税されるという規定があります。ただし、タイへの駐在勤務予定(タイの居住者になる予定)の場合にはこの規定の適用がないので注意が必要です。

短期滞在者免税 3条件

① 暦年の総滞在日数が180日を超えないこと

② 日本の法人が支払うこと

③ タイ法人が負担しないこと


3)日本人の現地給与の決定方法

タイに駐在する日本人のワークパーミット(労働許可)の延長のためには、その月給が5万バーツ以上であることが条件です。したがって、最低でも5万バーツは現地タイ法人に負担させる必要があります。

駐在する日本人の給与を、すべてタイの現地法人に負担させ所得税を納税すれば、タイにおける税務リスクはなくなります。しかし、タイ法人のコストが上昇してしまうこと、タイ人スタッフとの給与とのバランスがとれないことなどの問題が生じます。

 したがって、日本人の現地給与の決定のポイントとして以下が考えられます。

 【日本人現地給与決定のポイント】

● 月給最低5万バーツであること

● 現地での実際の生活費、家賃手当等を勘案すること

● 現地スタッフとの給与バランスを考慮すること

ただし昨今、日本の税務当局は、駐在員の日本払い給与をタイの現地法人に付け替えるよう要請を強めている現状にあります。

一方、タイに駐在する役員(日本親会社、タイ法人、双方の役員であるケース)の報酬については、タイで支払われる給与はタイで課税され、日本で支払われる給与はタイ国内に持ち込まない限り課税されません。したがって、役員報酬の決定のポイントとしては、以下が考えられます。

 【日本人役員報酬決定のポイント】

● 役員以外の他の日本人出向者とのタイでの申告所得のバランスを考慮(役員以外の出向者は合算申告するのに対し、役員は合算しないため、タイでの所得が逆転する)

● 日本の非常勤役員とする場合、日本で支払われている役員報酬が多すぎないかを考慮

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日本人のビザとワークパーミット

1)概要

ビザとは、入国許可及び滞在許可をいい、内務省移民局が管轄しています。一方、ワークパーミットとは、労働許可をいい、労働省雇用局が管轄しています。日本人がタイで働く場合は、ビザおよびワークパーミットを申請・取得する必要があります。

ビザとワークパーミットの申請・取得の大まかな流れは次のとおりです。

【ビザとワークパーミットの申請・取得の大まかな流れ】

<申請・取得>                          <左記の申請先>

Bビザ 申請                                タイ大使館・領事館  〔タイ国外(cf.日本)〕                              

     ↓

90日間有効なシングルビザの発給(1回のみ入国可)      タイ大使館・領事館  〔タイ国外(cf.日本)〕         

(申請した日の翌開館日)

     ↓

ワークパーミット(労働許可証)申請                 タイ労働省雇用局   〔タイ国内〕

     ↓ 

ワークパーミット(労働許可証)発給                 タイ労働省雇用局   〔タイ国内〕            

     ↓

ビザの延長(滞在許可)申請                      タイ入国管理局    〔タイ国外(cf.日本)〕 

     ↓

Bビザの期限より通常1年間の延長許可              タイ入国管理局     〔タイ国外(cf.日本)〕 


2)ビザの取得(入国許可)

 就労目的でタイに入国する場合には、ノンイミグラントビザ・タイプB(通称Bビザ)の取得が必要です。家族のビザは、ノンイミグラントビザ・タイプO(通称Oビザ)です。

 ビザの申請先は、日本その他タイ国外にあるタイ大使館・領事館です。必要書類(本人申請のみ可、郵送、代理申請は不可)は次表のとおりです。次々表は、提出を依頼される場合がある書類です。

 【ビザの取得(入国許可)申請 必要書類】

必要

書類

● パスポート原本(有効期限6か月以上のもの、査証欄の余白が1ページ以上あるもの)

● ビザ申請書1枚(大使館、または、タイ大使館ホームページで入手可)

● 写真2枚(カラー3.5x4.5cm、申請書内に糊で貼付)

● 航空券もしくは予約の確認書

● 英文経歴書1部(家族ビザの場合、満20歳未満は必要なし)

● タイの会社からの英文招聘状 原本1部

● タイ側会社登記簿コピー

● 日本の会社からの英文推薦状 原本1部(用意できない場合は、英文身元保証書と身元保証人のパスポートコピー1部(家族ビザの場合は、英文身元保証書のみ1部))

● タイ労働許可書のコピー(以前タイで働いていた人のみ)

● 戸籍謄本1部(家族ビザの場合のみ)

● 就労者のパスポート全コピーとワークパーミット全コピー(家族ビザの場合のみ)

(出所)在京タイ王国大使館ホームページ

なお、次のような書類の提出を依頼される場合があります。

 【依頼される場合があるビザの取得(入国許可)申請 必要書類】

提出を依頼される場合がある書類

● タイの会社登記簿

● タイの会社の株主名簿

● タイの会社設立趣意書、会社規約                   

● タイの工場経営許可書

● タイの会社の業務内容の詳細 

● タイの会社の納税証明書(法人税、消費税)最新1年間

● タイの会社の付加価値税登録証      

● タイの会社の損益帳簿(バランスシート)最新1年間

● タイの会社の外国人従業員名簿(名前、国籍、役職等) 

● タイの会社の組織図、会社所在地がわかる地図

● 輸出業の場合、会社の製品を輸出していることが確認できる書類、または輸出によって海外からいくら入金しているか確認できる銀行の書類

● タイの労働省発行の労働許可書コピー、申請者の納税報告書のコピー

● 英文卒業証明書、職歴証明書

● タイの会社発行の雇用契約書(雇用理由、役職、給与等含む)

● タイ労働省の様式の雇用契約書 

(出所)在京タイ王国大使館ホームページ

 なお、審査の結果、その他の追加書類を要求されることもあります。申請書類に問題がなければ、通常、申請した日の翌開館日に90日間有効なシングルビザ(一回のみ入国可)が発給されます。

 注意すべきは、ビザを所有していても、一度出国してしまうとそのビザは消滅するということです。それを回避するために、タイ移民局で再入国許可(リエントリー・パーミット)を取得しなければなりません。再入国許可は、リエントリー(1回のみ)かマルチプルビザ(複数回)を選択することができます。

 

(3) ワークパーミット(労働許可証)の取得

上記の就労ビザ(Bビザ)は、タイへの入国許可とビジネス目的での滞在許可であり、労働を許可したものではありません。外国人がタイで仕事をするためには、就労ビザ(Bビザ)とは別に、労働省雇用局からワークパーミット(労働許可証)を取得することが必要です。

また、ワークパーミットで許可されていない業務をすることはできません。ただし、必要かつ緊急の業務については、雇用局への事前の届け出によって、ワークパーミットなしで15日間を限度に就労することが可能です。労働許可の期間は、通常1年となっています。

 ワークパーミット(労働許可証)の申請に必要な書類は、次のとおりです。

【ワークパーミット(労働許可証)の申請に必要な書類】

● パスポートコピー(写真頁、Bビザおよび直近の入国スタンプのある頁、出国カード)、申請当日にパスポート

● 写真 4x3cm 6枚、6x4cm 4枚 (顔全体が正面、目が開いた状態で写っている、頭頂から肩までの顔全体が写っている、背景は白かオフホワイト、顔の表情は無表情で口を閉じた状態、帽子やサングラスを身に着けていない、はっきり写っていて状態の良いもの)

● 履歴書(学歴・職歴を入学・卒業、入社・退社年月日、学校・会社名、所属学部・部課名等詳しく)

● 最終学歴の卒業証明書(英文)

● 過去5年間に在勤した会社の最終役職、職務内容、入社・退社年月日の入った雇用証明書のコピー

● タイの医師による健康診断書会社のアフィダビットのコピー(6ヶ月以内に商務省に認証を受けたもの)

● 会社の株主名簿のコピー(6ヶ月以内に商務省の認証を受けたもの)

● 付加価値税(VAT)の登録証(Phor.Phor.20)、申請様式(Phor.Phor.01) 、変更届出様式 (Phor.Phor.09) のコピー

● 直近3ヶ月の月次社会保険料納付申告書と領収書のコピー

● 直近3ヶ月の付加価値税(VAT)月例税務申告様式と領収書のコピー

● 代表取締役のID Card(タイ人の場合)または労働許可証(外国人の場合)の署名入りコピー

● 会社の所在地を示す地図

● 申請者の役職と外国人・タイ人従業員の数を表す会社組織図

● 会社内の外国人従業員全員の労働許可証のコピー

 

≪以下の◆書類は、初年度は存在しないため不要。次回延長時より必要となります。≫

◆ 外国人事業免許のコピー(もしあれば)

◆ 直近の法人税確定申告書と領収書のコピー

◆ 直近の監査済み財務諸表のコピー(公認会計士にコピーの証明を受けたもの)

ワークパーミットの発給には、原則として以下のような条件が課されますので、注意が必要です。ただし、BOI投資奨励企業、または、工業団地公団(IEAT)の工業団地に入っている企業を除きます。

 【ワークパーミット発給の条件】

● 勤務先企業の会社の払込資本金額が、外国人の労働許可申請1人につき200万バーツ以上であること(労働省規定)。ただし、タイ人の配偶者の場合は100万バーツ以上。

● 勤務先企業が、外国人1名につき、タイ人従業員を4名以上雇用していること(入管規定:ビザ延長の条件)

なお、申請の際、窓口で日・タイ経済連携協定(JTEPA)の適用を希望する旨を口頭で申告すれば、条件によっては許可期間、発給までの時間等で特別の措置を受けられる可能性があります。ただし、持ち込み資金その他に条件がつきますので、詳しくは窓口で確認する必要があります。

 

4)ビザの延長(滞在許可)

上記(2)で記述したとおり、ノンイミグラントビザ・タイプB(就労)(通称Bビザ)の有効期間は90日間ですので、それ以上、滞在する場合に、ビザの有効期間を延長する手続が必要です。タイにおける滞在延長の手続は、タイ入国管理局にて行います。この手続については、タイの法律事務所等に委託が可能です。ビザの延長の条件は、以下のとおりです。

 【ビザ延長(滞在許可)の条件】

● 勤務先企業のタイ国内に登記された資本金が200万バーツ以上

● 勤務先企業が、日本人1名につきタイ人4名以上を雇用していること。

● 月給が5万バーツ以上であること。

● 過去2会計年度のバランスシートにより事業継続が可能な健全な財政状況にあることを示すこと(ただし、赤字企業や設立後間もない企業であっても、個別の事情に応じて、これらの点が審査を通じて確認できればビザ更新が認められる)。

ビザの延長期間は、タイ国外で取得したビザの期限より1年間です。また、ビザの延長とは別に、タイからの出国が一度もない場合には、90日を迎えるごとに、移民局に対して滞在を通知する必要があります(”Notification of Staying over 90 days”)。

ビザ延長申請時に必要な書類は、下記のとおりです。

【ビザ延長申請時の必要な書類】

● 会社のアフィダビットの原本

● 会社の株主名簿の原本(6ヶ月以内に商務省の認証を受けたもの)

● 付加価値税(VAT)の登録証(Phor.Phor.20)、申請様式(Phor.Phor.01) 、変更届出様式 (Phor.Phor.09) のコピー

● 直近3ヶ月の源泉所得税申告書(全員分)のコピー(歳入局の認証を受けたもの)

● 直近3ヶ月の社会保険料納付申告書のコピー(社会保障事務局の認証を受けたもの)  

● 直近3ヶ月の付加価値税(VAT)月例税務申告様式のコピー(歳入局の認証を受けたもの)

● 代表取締役のID Card (タイ人の場合)または労働許可証(外国人の場合)の署名入りコピー

● 会社の所在地を示す地図

● 申請者の役職と外国人・タイ人従業員の数を表す会社組織図

● 会社内の外国人従業員全員の労働許可証のコピー

● 次のような会社の写真を5~6枚

   ・   就業時間中にタイ人従業員が仕事をしている事業所内の写真

   ・   就業時間中に申請者が仕事をしている事業所内の写真

   ・   事業所の看板を含めた事業所外の写真

≪以下の◆書類は、初年度は存在しないため不要。次回延長時より必要となります。≫

◆ 外国人事業免許のコピー(もしあれば)

◆ 直近の法人税確定申告書のコピー(歳入局の認証を受けたもの)

◆ 直近の監査済み財務諸表のコピー(歳入局または商務省の認証を受けたもの)

◆ 直近の財務諸表提出用カバリングレター(商務省の認証を受けたもの)

なお、BOIやIEAT(タイ工業団地公社)の特典により滞在許可が認められた者、払込資本又は総資産が3,000万バーツ以上の大企業、駐在員事務所・地域統括事務所、外国銀行の支店は、ワンスタート・ワンストップインベストメントセンターOSOSにて、ワークパーミット取得と同時に手続を行うことが可能です。

 

(5) 外国人が就労できない職業39職業

2008年に制定された外国人就労法では、地域を問わず、次の39の職業に外国人が就労することを禁止しています。これは、BOI投資奨励企業、または、IEAT管轄の工業団地に工場を所有している会社についても例外ではありません。ただし、この法律は、外国人がその作業をすることを禁止していますが、経営者、または、管理者としてタイ人スタッフに作業をさせることは可能です。日本人の場合は、「Technician」、「Advisor」という名目で申請するのが通常です。


 【外国人就労禁止職業(39職業)】

1.肉体労働(別途条約がある国の場合は除く)

2.農業、畜産、林業、漁業(特殊な知識や監督が必要な場合は除く)

3.レンガ職人、大工その他建設職人

4.木彫

5.運転手(国際線パイロットは除く)

6.小売店員

7.競売業

8.会計サービス、会計監査(一時的な内部監査は除く)

9.宝石類のカッティングや研磨

10.理髪師、理容師、美容師

11.手織り

12.敷布織り、葦細工、藤細工、麻細工、藁細工、竹細工

13..手すき紙

14.漆塗り

15.タイ楽器職人

16.ニエロ細工

17.金細工、銀細工、その他貴金属細工

18.青銅器

19.タイ人形職人

20.マットレス、布団の製造

21.托鉢用鉢の製造

22.手作りシルク製品の製造

23.仏像の製造

24.ナイフの製造

25.紙または布の傘の製造

26.靴の製造

27.帽子の製造

28.ブローカー、代理業(国際貿易は除く)

29.設計・監理等の土木建設サービス(特殊技術が必要な場合は除く)

30.設計・積算等の建築サービス

31.服の仕立て

32.陶芸

33.手巻き煙草

34.観光ガイド

35.行商、露店業

36.タイ字のタイプ・写植

37.絹糸の製糸

38.事務員、秘書

39.法律サービス(仲裁は除く)

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タイの会計制度

(1) 概要

 会社は会計帳簿を保管し、民商法典、歳入法典、会計法の規定に基づき会計手続をとらなければなりません。書類はタイ語訳が添付していれば何語でも可能です。ただし、歳入法で、VAT記録を英語で作成することが認められたことにより、事実上英語のみで作成する会社が増加しています。会計勘定の計上はすべてインク、タイプまたは印刷によるものでなければなりません。

会計帳簿の保管期間は、会計法、歳入法典では5年間とされています。しかし、歳入法典上の税金が不申告の場合、民商法典の税金に関する債務の時効の10年間が適用されます。また、関税の納税不足に関する時効は10年間です。したがって、会計帳簿は10年間保管することが望ましいと言えるでしょう。

新設の会社は登記より12か月以内で決算を行わなければなりません。その後、1会計年度を12か月として決算を行います。多くの日本の現地子会社等は、12月か3月決算を採用する傾向にあります。現地の日本企業向け会計人は不足していますので、会計監査事務所と事前打ち合わせを入念に行う必要があります。


(2) 2000年会計法

2000年に会計法が導入されましたが、当該法律は、上場・非上場、大企業・中小企業、個人事業を問わず、すべての事業体に適用されます。現在、中小企業向けの会計基準は特に制定されていません。

作成が義務付けられている財務諸表は、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、剰余金計算書、株主持分変動表です。

商務省は、適用が強制される会計基準を定めていますが、現在、会計法に基づき、以下の会計基準の適用は強制されていません。

 【適用が強制されない会計基準】

タイ国会計基準(TAS

● IAS7 キャッシュフロー計算書

● IAS14 セグメント別財務情報の報告

● IAS24 特別利害関係取引の開示

● IAS27 連結財務諸表ならびに子会社投資の会計

● IAS28 関係会社投資の会計

● IAS39 金融商品:認識と測定

● IAS40 投資不動産

● IAS41 農業

 国際財務報告基準(IFRS

 

● IFRS1 財務報告基準適用初年度

● IFRS2 株式報酬

● IFRS4 保険契約

● IFRS5 売却目的で保有する非流動資産および廃止事業

● IFRS6 鉱物資源の探査および評価

● IFRS7 金融商品:開示

● IFRS8 事業セグメント

 

(3) 会社経理責任者の資格要件

 タイ企業の会社経理責任者(Bookkeeper)については、以下の資格を備えている必要があります。

 【会社経理責任者(Bookkeeper)の資格要件】

● タイ国内に居住している

● タイ語の能力を有する

● 会計法による禁固刑の最終判決を受けていない

● 登録資本金が500 万バーツ以下、総資産又は収益3,000 万バーツ以下の企業の場合、職業高校、短大で会計に関する学科を終了していること

● 上記を超える場合や公開株式会社、外資企業、銀行、金融業、証券、保険業、BOI認可企業については、会計学士又は同等の学位を有すること

 なお、タイの企業は、会社経理責任者について、商務省事業開発局に登録する義務があります。また、会計職法に基づき、会計職連盟に入会または登録する必要もあります。

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タイの法人税(Corporate Income Tax)

タイで事業活動を行う法人は法人所得税を納めなければなりません。

タイ国内で事業活動を行わない法人は、サービス料、利息、配当、賃貸料、専門家指導料などのタイ国内源泉所得のみが課税対象となります。

ただし、駐在員事務所は、タイ国で事業活動を行うものとみなされ、源泉徴収および申告義務が課されます。しかし、収益活動は許可されないため、所得がゼロの申告書を提出することになります。

【タイの法人税率】

BOI

投資奨励を受けてない事業

原則

30%

段階減税

2012年度

23%

2013、2014年度

20%

BOI

投資奨励事業

● 3~8年間・・・・免税

● その後5年間・・50%減免措置

中小法人(期末払込資本が500万バーツ以下で売上が3,000万バーツ以下の会社)については、100万バーツまでの課税所得に対して、累進税率が適用されます。

連結納税制度については、現在、導入されていません。

移転価格税制については、歳入局通達によって、「文書化」が定義されています。日本の親会社や海外関係会社との取引が多く、かつタイ会社の利益が薄い会社は必ず「文書化」の準備をされることをお勧めいたします。

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タイの付加価値税

付加価値税(VAT)は日本の消費税に相当し、タイ国内における物品の販売等やサービスの提供および輸入に対して課税されます。

税率は、内国歳入法上は10%ですが、時限立法により7%に軽減されています。


物品やサービスの提供を継続的に行う事業者で、年間1.8百万バーツの収入がある者はVATの納税義務があります。

納税義務者は、取引ごとのタックス・インボイスを用いて、販売した物品の額及びそれに相当するVATを表示します。

 

法人を設立した後にはタイミングを考えてVATの納税者登録が必要ですが、そのタイミングとは、少なくとも高額の物品の購入が始まる前と考えます。

購入に係るVATは控除の対象となり、売上のVATと相殺できるためですが、一度VAT納税者登録をすると申告がゼロであっても毎月のVAT確定申告が必要となります。

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タイの個人所得税(Personal Income PIT)

歳入法により、タイの居住者については、タイで得た所得(タイ国内源泉所得+タイ国外源泉所得でタイに持ち込んだもの)について、個人所得税が課されます。タイの居住者とは、暦年中にタイでの滞在日数合計が180日以上となる者すべてを言います。

 なお、非居住者はタイ国内源泉所得に対してのみ個人所得税が課されます。 

個人所得税は累進課税方式を採用しており、税率は以下のとおりです。

【個人所得税率(2013年度以降)】

課税対象額 段階ごとの課税対象額 税率 税額 速算表*
0-150,000           150,000.00 0% 0 0
150,001-300,000           150,000.00 5%      7,500.00  x 5% – 7,500
300,001-500,000           200,000.00 10%    20,000.00  x 10% – 22,500
500,001-750,000           250,000.00 15%    37,500.00  x 15% – 47,500
750,001-1,000,0000           250,000.00 20%    50,000.00  x 20% – 85,000
1,000,001-2,000,000        1,000,000.00 25%   250,000.00  x 25% – 135,000
2,000,001-4,000,000        2,000,000.00 30%   600,000.00  x 30% – 235,000
4,000,000 up                     - 35%  x 35% – 435,000

(*速算表の見方:例えば、課税所得が500万バーツの場合、税額は500万×35% -43万5千円 = 131万5千円となります。)


個人所得税の課税年度は、暦年(1月1日より12月31日)で、毎年の確定申告を翌年の3月末日までに行うことになっています。

タイにも日本と同様、給与所得に対する個人所得税の源泉徴収制度があります。雇用主である法人は従業員に給与を支払う場合、所定の税金を天引きして、翌月7日までに源泉税を申告納税します。

暦年での最期の給与の支給後、雇用主は従業員に対して、翌年2月15日までに前年1年間の源泉徴収税額に関する証明書を発行し、従業員はこの証明書を用いて確定申告を行います。

タイの個人所得税は、日本の制度に比べて、給与所得控除が非常に少ないこと、段階税率のアップのスピードが速いことから、重税感があります。

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親会社との考慮すべき契約

タイに限らず、海外進出し、現地で法人を運営してゆくには、親会社が様々な支援を行うケースが殆どです。しかし、それらを無償で行うことは日本の税制上問題が生じます。現地法人の税制面も考慮し、設立当初の段階から親子間の契約書を準備されることをお勧めしています。主な契約と留意点は次の通りです。

 【親会社との考慮すべき契約】

項目

留意点

製造技術使用許諾契約

(ロイヤリティー契約)

親会社の技術を子会社が使用する場合には、必ず契約書の準備が必要です。海外子会社の利益が出るまでは契約書を作らないというのではなく、作った上で一定の免除規定を設けておいた方が、支払側である子会社側の税務リスクも抑えられます。

従業員出向契約

(給与負担契約)

待遇面をはっきりさせておきましょう。特に親会社側での給与負担、いわゆる留守宅手当が生じる場合にはその金額の根拠も有しておきましょう。

技術者派遣契約

 

生産ラインの立ち上げやトラブル等への対処のために一定期間派遣するための契約です。親会社での派遣者に係る実質給与負担を考慮し1日当たりの派遣費を決めます。

販売支援(コミッション)契約

本社の営業部門が海外子会社のお客様(日系)の販売支援として、お客様の日本本社への営業行為を行っている場合に、その本社営業部門のコストを海外子会社に負担してもらうものです。

 


 

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