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居住者、非居住者

タイ 個人所得税2015年分

タイでも個人の確定申告の時期となりました(期限は3月末日)。

日本と異なり、会社に年末調整義務(個人に代わって、会社が個人所得税の年間納税義務を完結させる手続き)が有りませんので、所得のある個人はすべて確定申告しなければなりません。

税務当局の情報によれば、申告している納税者は1,090万人(総人口は6,800万人なので、16%)でそのうち納税が生じているのはわずか450万人とのことです。生産年齢人口比率(66.5%)と比較するのは適切では無いですが、それにしても随分少ない印象です。

個人所得税でよく質問のあるいくつかのQAを下記に記載してみました。

Q1:年の途中からタイ赴任(1年以上の赴任の前提)となりましたが、日本払い給与のどの月の分からタイで合算課税が必要でしょうか?

A1:タイへの赴任前には、日本で出国年調(それまでの日本での課税を完結させる仕組み)を行います。その後に日本で得る給与は日本の所得税の課税対象にはなりませんので、その日本で課税されていない分はタイで申告が必要となります。

 

Q2:私は昨年9月にタイに3年の任期で赴任し、昨年のタイでの滞在期間は4ヶ月です。日タイ租税条約で、180日を超えない期間、タイで働いたとしても、日本払い給与はタイで課税されないと聞いたことがあります。日本払い給与をタイで合算申告しなくても良いでしょうか?

A2:この租税条約の規定は日本の居住者であることが前提です。9月以降は日本の非居住者ですので、租税条約の規定の適用はできませんので、原則取り、日本払い給与はタイで合算申告する必要があります。

 

Q3:タイに単身赴任しています。配偶者と子供(小学生)がいますが、扶養控除は適用できますか?

A3:タイの居住者(180日以上タイに滞在)であれば、扶養者の所得が無い前提で適用できます。非居住者の場合は、タイで帯同でなければ適用できません。尚、控除額は、配偶者控除が3万バーツ、子供控除が1人当たり1万5千バーツ(3人分まで)と日本と比べると少額です。

 

Q4:扶養証明はどのように取得したら良いでしょうか?

A4:日本で戸籍謄本を取得していただき、それを在タイ日本大使館へ持ち込み英訳をしてもらう流れとなります。尚、当該証明は、申告書には添付しません。税務調査があった際に提示することになります。

 

Q5:タイに赴任後、日本親会社から支給された賞与は、タイで申告する必要がありますか?

A5:申告する必要があります。ただし、年の途中でタイに赴任したケースで、賞与の支給対象期間の関係上、日本で課税されたものがある場合(日本の非居住者の国内源泉所得として20.42%の源泉税が課税されたもの)、その部分は除いてタイで申告します。

IMG_1600(Photo:タイのドムアン空港)

海外赴任直後に支払われる国内払い給与の課税(従業員の場合)(日本の税務)

所得税法基本通達212-3(給与等の計算期間の中途で非居住者となった者の給与等)において、「給与等の計算期間の中途において居住者から非居住者となった者に支払うその非居住者となった日以後に支給期の到来する当該計算期間の給与等のうち、当該計算期間が1月以下であるものについては、その給与等の全額がその者の国内において行った勤務に対応するものである場合を除き、その総額を国内源泉所得に該当しないものとして差し支えない。」とされています。   IMG_0397   この通達の規定は、以下の要件のすべてを満たす場合に適用されることになります。 (1)  給与等の計算期間の中途に居住者から非居住者になること (2)  給与等の計算期間が1月以下であること (3)  給与等の計算期間に国内勤務期間及び国外勤務期間の両方が含まれること (4)  給与等の支払日が非居住者期間中にあること   そもそも非居住者に支払われる給与等(給与又は賞与など)で国内勤務に起因するものは、国内源泉所得として所得税(以下、復興特別所得税を含む)の源泉徴収が必要です。したがって、非居住者が受ける給与等が国内勤務及び国外勤務の両方に起因する場合には、原則として、その総額のうち国内勤務に対応する金額について所得税を源泉徴収しなければなりません。   ただし、所得税法基本通達212-3において定めている要件のすべてを満たすことを条件に、たとえ国内源泉所得があったとしても、例外的に所得税の源泉徴収をしなくてもよいとされているので注意が必要です。   なお、年の中途において居住者から非居住者になる場合において、非居住者となる時までに支払われる給与等については年末調整を行う必要があります。年末調整は、居住者期間中に支払われた給与等が対象となることから、出国直後に支払われる給与等は、当然に年末調整の対象にはなりません。

(Y.M.)

海外勤務者と住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)(日本の税務)

日本の所得税法上の居住者が、住宅ローン等を利用して国内において住宅の新築、取得又は増改築等(以下、取得等という)をした場合において、一定の要件のすべてを満たすときは、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、控除可能期間中の居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除することができます。これは住宅借入金等特別控除(以下、住宅ローン控除という。)と言われ、多くの人に知られているポピューラーな税額控除のひとつです。 562984_2864424131398_1283605730_2113631_1896103943_n (インドネシアの伝統工芸品:バティック(ろうけつ染め)) ここでは、海外勤務者が住宅ローン控除を適用する場合の留意事項を以下にまとめてみます。  

(1)  住宅ローン控除は、居住者に適用される制度です。したがって、海外勤務により、その年の12月31日おいて非居住者である場合には、その非居住者である年分について住宅ローン控除の適用を受けることができません。

(2)  住宅ローン控除の適用を受けていた者が、海外勤務のためその住宅を居住の用に供しなくなったことにより住宅ローン控除の適用を受けられなくなった後、帰国して居住者となりその住宅を再び居住の用に供した場合には、残存控除可能期間のうち、再居住年(その年において、その家屋を賃貸の用に供していた場合には、その年の翌年)以後の各年は、住宅ローン控除の適用を受けることができます。なお、住宅ローン控除の再適用を受けるためには、所轄税務署長に対して、海外赴任前に次の書類を提出しておく必要があります。

   ①     転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書

   ②     未使用分の「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」及び「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」(税務署長から交付を受けている場合に限る。)

(3)  非居住者である期間中に国内において住宅の取得等をした場合は、たとえ帰国して居住者となりその住宅を居住の用に供したとしても、住宅ローン控除の適用を受けることができません。ただし、非居住者期間中に住宅を購入する契約を締結し、その住宅の引渡しが帰国後居住者になったときに行われた場合には、その住宅について住宅ローン控除の適用を受けられる可能性があります。

(4)  住宅ローン控除の適用対象となる住宅の取得等をし、かつ、その取得等の日から6月以内に居住の用に供した場合において、その居住年の12月31日までの間に、海外勤務のためその住宅を居住の用に供しなくなった後、その住宅を再び居住の用に供したときは、残存控除可能期間のうち、再居住年(その年において、その家屋を賃貸の用に供していた場合には、その年の翌年)以後の各年は、住宅ローン控除の適用を受けることができます。ただし、平成24年12月31日以前に居住の用に供しなくなった場合には、当初居住の用に供した日の属する年は住宅ローン控除の適用を受けることができません。

  なお、住宅ローン控除の控除可能期間の延長はありません。したがって、海外勤務後の再居住年以後の各年において住宅ローン控除の適用又は再適用を受けることができるのは、残存控除可能期間がある場合に限られます。 (Y.M.)

居住者の国外払い給与の課税(日本の税法)

1年未満の予定で海外勤務をする者は、日本の税法上、『居住者』と判定されます。『居住者』は、原則として、日本国内はもちろん国外において稼得した所得も課税対象となります。よって、『居住者』と判定される海外勤務者に対して支給する給与については、国内払い給与および国外払い給与ともにその全額が課税対象とされます。 IMG_0439 なお、『居住者』に支給する国内払い給与は源泉徴収の対象となり、また必要な場合には年末調整を行わなければなりません。一方、外国の支店等において『居住者』に支給する国外払い給与は、源泉徴収や年末調整の対象ではありません。   通常、多くの給与所得者は、給与の支払者が行う年末調整によって1年間の所得税額が確定し納税も完了することから、所得税の確定申告の必要はありません。しかし、『居住者』と判定される海外勤務者については、国内払い給与と国外払い給与を合算して確定申告が必要となるので注意が必要です。(Y.M)

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