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2016年4月

経産省 「BEPSを踏まえた各国動向及び日本企業の対応に関する調査」を公表

2016年(平成28年)4月13日、経済産業省は、「BEPS(注)を踏まえた各国動向及び日本企業の対応に関する調査報告書(平成27年度)」を公表しました。

 

(注)BEPSとは、Base Erosion and Profit Shiftingの略(日本語では、「税源浸食と利益移転」)で、多国籍企業が各国の税制の違いや租税条約等を利用して所得を軽課税国・無税国に移転し、グローバルに租税負担を免れていることを指します。

 

これは、昨年(2015年)10月に、OECDが公表したBEPSに係る最終報告書(以下「BEPS最終報告書」)を踏まえて、日本企業の進出国・地域がどのような制度改正を実施し、日本企業にどのような対応が求められるのか、また、日本企業はどのような国・地域において二重課税のリスク等の税務上の課題を抱えているか等を調査したものです。

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 同調査報告書の主な内容は以下のとおりです。

 

  ① BEPS最終報告書(行動計画1~15)の概要

  ② 諸外国におけるBEPS最終報告書への対応状況・動向調査(含むインドネシア、タイ)

  ③ 日本企業の進出先国の税制改正を踏まえた日本企業に求められる対処法の検討

  ④ 「国際課税問題及び租税条約に関するアンケート調査」等、調査に係る集計結果資料

  ⑤ 諸外国におけるBEPS最終報告書への対応状況・動向調査資料(含むインドネシア、タイ)

 

同調査は344ページわたる調査報告書本体と4つの資料からなる膨大な文書です。次回以降、少しずつ紐解いていきましょう。

 

以上

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 朝日ネットワークスグループは、日本の朝日税理士法人と連携して、移転価格文書化等、各種税務サービスを提供しております。ご質問・ご相談等ございましたら、当HPの「資料請求・お問い合わせ」よりお気軽にお問い合わせ下さい。

〈国際税務の概要〉コーナーの『移転価格税制』をアップデートしました。

〈国際税務の概要〉コーナーの『移転価格税制』をアップデートしました。今回は、日本の平成28年度税制改正を織り込み、移転価格文書化の新しい制度(国別報告事項、マスターファイル、及び、ローカルファイル)についてもご説明しております。

 

【移転価格税制とは】

移転価格税制は、「あるべき移転価格で海外子会社と取引をすることを求める税制」ということができます。あるべき移転価格とは、親会社と海外子会社が、共に適正な利益を確保できる、親会社と海外子会社間の取引価格をいいます。税法ではこれを独立企業間価格と呼んでいます。

 

ここで、日本の親会社Xが海外子会社Yに販売する製品Aの価格を、通常の価格が100万円であるにもかかわらず50万円に設定したと仮定します。このとき、日本の親会社Xの利益は通常より50万円少なくなります。移転価格の税務調査が入った場合、日本の税務当局は、50万円の所得が日本から海外に移ったものと考えます。そして、独立企業間価格である通常の価格100万円で製品Aが販売されたものとみなし、差額の50万円を所得に加えて、追徴税を課す恐れがあるのです。

 

この時、日本の親会社Xが所得を上記のように増額修正されたとしても、海外の税法上、子会社Y の所得を対応的に減額することはできません。よって、同じ所得に対し、日本と海外で二重課税が生じてしまいます。反対に、上記の例で、通常の価格100万円を150万円に価格設定したとすれば、海外子会社の所得が減少しますので、海外で追徴税を課される可能性が発生します。これが、海外ビジネスを展開する上での移転価格リスクです。

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【独立企業間価格の算定方法】

日本の税法上、独立企業間価格については、① 独立価格比準法(CUP法)、② 再販売価格基準法(RP法)、③ 原価基準法(CP法)、④ ①~③までの方法(基本三法)に準ずる方法、⑤ 利益分割法(PS法)、⑥ 取引単位営業利益法などの算定方法の定めがあります。

 

独立企業間価格は、海外子会社等との間の国外関連取引の内容及び当該取引における当事者が果たす機能その他の事情を勘案して、独立企業原則に一致した「最も適切な方法」を選定する必要があります。

 

【移転価格文書とは】 

(平成28年度改正:国別報告事項、マスターファイル、ローカルファイル

移転価格に係る税務調査において、税務当局に対抗するには、納税者は海外子会社との取引価格が上記の算定方法に基づき算出された独立企業間価格であることを証明する必要があります。その根拠を示すために準備する文書が移転価格文書です。

 

日本では、平成28年度の税制改正において、原則として、3つの移転価格文書(国別報告事項、マスターファイル、ローカルファイル)の提出、または、作成・保存が義務化されました。このうち、国別報告事項とマスターファイルは、平成28年4月1日以後に開始する会計年度において、直前会計年度の連結総収入金額が1,000億円以上の多国籍企業グループに提出義務が課されています。

 

一方、ローカルファイルは、平成29年(2017年)4月1日以後に開始する会計年度における海外子会社等との前期の取引金額(受払合計)が50億円以上(無形資産取引の場合は3億円以上)の場合、確定申告書の提出期限までに作成し(同時文書化義務)、原則として、7年間保存する義務があります。

 

ただし、当該同時文書化義務が免除されている場合でも、税務調査等で要請があった場合に60日以内に提出しなければ、国税当局は推定課税及び同業者調査を行うことができることに注意して下さい。

 

ここで、推定課税とは、税務当局が質問権等で類似の取引を行う第3者から入手した情報に基づき行う課税です。企業が、このような推定課税を避けるためには、ローカルファイルの作成・保存が必要なのです。

 

ASEAN諸国の移転価格税制】

ところで、ASEAN諸国をはじめ、多くの新興国・途上国においても、この10年余りの間に次々と移転価格税制が導入されています。したがって、海外子会社の側からみた移転価格リスクも考慮することが不可欠です。

 

ASEAN諸国のうち、2014年現在移転価格税制を採用しているのは、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、未採用の国は、カンボジア、

ブルネイ、ミャンマー、ラオスです。未採用の国であっても、あるべき移転価格を考慮する必要があります。なぜなら、それらの国では、所得の国外移転に関して税務当局に課税する裁量を与えているからです。

 

なお、移転価格に関して、日本の税制上、所得の更正処分等を受けた場合には、納税者の権利を救済する制度が設けられています(国際税務行政と権利救済参照)。

 

 

以上

 

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〈国際税務の概要コーナー〉の『海外進出時の国際税務』を更新しました。

〈国際税務の概要コーナー〉の「海外進出時の国際税務」をアップデートしました。

 

海外進出時の国際税務

 

日本の企業が海外進出を行う際には、進出国の税制とともに、国際税務の問題を検討しておく必要があります。国際税務(国際課税)とは、一般的には、国境を超える経済活動に対する課税をいいます。その役割は、(1)国際的な二重課税の回避、(2)国家間の課税権の適正な配分、(3)経済活動の活性化などにあります。

 

国際税務に関しては、「国際租税法」のような包括的な税法は存在せず、所得税法、法人税法、租税特別措置法などの国内税法の中にその規定が定められています。また、日本と多くの外国との間では、国際的な課税権の配分などを目的として、租税条約が締結されています。

02a8dc9512866bf738cd3ae0f9b33403-225x300 【フィリピンのスーパーマーケットにて】

日本においては、国際税務に関する代表的なものとして、税法の中に以下の制度が導入されています。

 

【国家間の課税権の適正な配分を定めたもの】

・非居住者・外国法人に対する課税

・外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン対策税制)

・移転価格税制

・過小資本税制

・過大支払利子税制

・国外転出時課税制度

・国境を越えた役務提供に対する消費税の課税の見直し

 

【国際的な二重課税の排除を定めたもの】

・外国税額控除制度

・外国子会社配当益金不算入制度

 

【国際的な租税情報の提出のためのもの】

・国外送金等調書制度

・国外証券移管等調書制度

・国外財産調書制度

 

企業の海外進出に伴い、従業員を海外に派遣する場合には、個人所得課税が国際税務に係る重要な問題となります(海外派遣社員の課税)。とくに、ストックオプション制度を採用している場合には、課税のタイミングが各国ごとに異なる可能性があるので、海外派遣に先立って事前の検討が必要です。

企業が国内外に複数の関連会社を有することになる場合は、日本、海外のグループ法人税制連結納税制度は要検討事項となります。さらに、近年では、国際取引に関して、日本の税務当局が消費税についても注視していますので留意して下さい。

また、海外関連会社との取引や海外関連会社同士の取引が増加するにつれ、その取引価格(移転価格)に関して国税当局の税務調査を受ける可能性が増大します。移転価格の調査では、追徴税額や罰金を多額に課せられることが少なくありません。近年では、大企業だけでなく、中堅企業の調査も増加していますので、事前の対策が必要です。

なお、国際税務においては、権利救済手続や相互協議といった納税者の権利を救済する制度がありますので、確認する必要があります(国際税務行政と権利救済)。

以上のように、海外進出にあたっては、国際税務(国際課税)の制度を理解し、二重課税や多額の追徴税を負うことのないようにタックス・プランニングをすることが求められます。

 

以上

 

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アセアンセンター「 ASEAN税務アップデートセミナー」の講師を務めました
【タイ、インドネシア、フィリピン税制】

去る、2016年2月19日(金)、弊朝日ネットワークスグループの各国代表者が、国際機関日本アセアンセンター様主催の「ASEAN税務アップデートセミナー」において、講師を務めました。

 

ASEAN各国の税制には多様な相違点や特徴がありますが、当セミナーでは、タイ、インドネシア、フィリピンにおける法人、及び、駐在員の税務ならびに各国の移転価格税制の最新情報につき講演を致しました。

 

講演

講師

タイの税制実務

(法人の税務・駐在員の税務・移転価格税制)

朝日ネットワークス・タイランド

代表取締役/税理士 小松英生

インドネシアの税制実務

(法人の税務・駐在員の税務・移転価格税制)

朝日ネットワークス・インドネシア

代表取締役/税理士 岡本芳郎

フィリピンの税制実務

(法人の税務・駐在員の税務・移転価格税制)

朝日ネットワークス・フィリピン

代表取締役/税理士 坂本直弥

 

当セミナーでは、弊グループの朝日税理士法人顧問・税理士、双木希一先生に、日本の移転価格税制の最新情報についても、併せてご講演いただきました。双木先生は東京国税局ご出身で、数多くの有名企業、大企業の移転価格調査、及び、事前確認(APA)に国際税務専門官、総括主査等として約20年間携わって来られました。

 

当セミナーへは、対象地域へ進出済みの企業の皆様、及び、進出を検討されている企業の皆様に200名近くおいでいただき、誠にありがとうございました。

 

今後も、皆様のご期待に応えられるセミナーを随時開催してまいりますので、ご興味のある方は是非ご参加ください。

 

また、昨年、2015年11月に、各国代表者執筆による、「図解&ケース ASEAN諸国との国際税務 インドネシア・タイ・フィリピン・ベトナム」を(株)中央経済社より出版致しましたので、ご覧いただければ幸いです。

 

ASEAN諸国との国際税務←画像をクリックしてアマゾンのHPへ

タイトル:「図解&ケース ASEAN諸国との国際税務 インドネシア・タイフィリピン・ベトナム」

編者:朝日税理士法人、朝日ネットワークスグループ、I-GLOCAL Co., LTD.

出版社:(株)中央経済社

定価:本体2,600円+税

 

以上

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