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中堅企業の移転価格文書化対策その1
~平成28年度税制改正で義務化された3つの移転価格文書(日本の税制)】

【移転価格リスクと向き合う⑪
中堅企業の移転価格文書化対策その1
~平成28年度税制改正で義務化された3つの移転価格文書(日本の税制)】

平成28年度(2016年)の税制改正では、原則として、移転価格文書化の提出、または、作成・保存の義務化の措置が講じられました(2016年1月14日のブログ参照)(平成2月3日現在、国会審議中)。

 

義務化の対象となるのは、以下の3つの移転価格文書です。ローカルファイルについては、税務申告書の提出期限までの作成(同時文書化)が免除されている場合でも、税務調査等で要請があった場合に60日以内に提出しなければ、国税当局は推定課税および同業者調査をすることができることにご注意ください。

 

【平成28年度税制改正で義務化された3つの移転価格文書】

(平成27年12月24日発表の平成28年度税制改正大綱による)

文書名

国別報告事項

(CBCレポート)

マスターファイル

 (事業概況報告事項)

ローカルファイル

(独立企業間価格を

算定するために

必要と認められる書類)

内容

多国籍企業グループが事業を行う国ごとの

  • 収入金額
  • 税引前当期利益の額
  • 納付税額
  • その他必要な事項

多国籍企業グループの

 

  • 組織構造
  • 事業の概要
  • 財務状況
  • その他必要な事項

国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(電磁的記録を含む)

租税特別措置法施行規則第22条の10第1項各号に掲げる書類(記載項目の明確化等が行われる)

OECD移転価格ガイドライン改定案の別添2に示された記載項目

提出(作成)

義務者

(1) 多国籍企業グループの最終親事業体(究極の親会社)又は、それが指定した代理親事業体である内国法人

(2) (日本の国税当局が、最終親事業体等の居住地国(租税条約等の相手国に限る)を通じて国別報告事項の提供を受けられないと認められる場合)

多国籍企業グループの構成事業体(子会社)である内国法人又は国内に恒久的施設を有する外国法人(複数ある場合には代表1社で足りる)

多国籍企業グループの構成事業体である内国法人、または、国内に恒久的施設(PE)を有する外国法人

国外関連取引を行った法人

提出等の

義務の免除

直前会計年度の連結総収入金額が1,000億円未満の多国籍企業グループは提出義務を免除される。

直前会計年度の連結総収入金額が1,000億円未満の多国籍企業グループは提出義務を免除される。

一の国外関連者との前期(前期がない場合には当期)の取引金額(受払合計)が以下の二つの条件を満たす場合には、当該一の国外関連者との当期の国外関連取引については、確定申告書の提出期限までの作成・保存義務(同時文書化義務)が免除される。

(1) 取引金額(受払合計)が50億円未満であること

(2) 無形資産取引金額(受払合計)が3億円未満であること

提出期限(作成期限および保存期間)

最終親事業体(究極の親会社)の会計年度終了日の翌日から1年を経過する日(e-Taxにより税務当局に提出)

最終親事業体(究極の親会社)の会計年度終了日の翌日から1年を経過する日(e-Taxにより税務当局に提出)

確定申告書の提出期限までに作成し、原則として、7年間保存

提出義務の担保策(罰則等)

期限内に提出しない場合の罰則が設けられる。

期限内に提出しない場合の罰則が設けられる。

提示又は提出がない場合の推定課税及び同種の事業を営む者に対する質問検査(以下「同業者調査」)の要件を明確化するための規定が整備されている。

適用時期

平成28年(2016年)4月1日以後に開始する最終親事業体(究極の親会社)の会計年度に係る国別報告事項について適用

平成28年(2016年)4月1日以後に開始する最終親事業体(究極の親会社)の会計年度に係る事業概況報告事項について適用

平成29年(2017年)4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用

備考

英語で作成

日本語又は英語で作成

言語は特に指定されていない。

 

国別報告書(CBCレポート)とマスターファイル(事業概況報告事項)に関しては、直前会計年度の連結総収入金額が1,000億円以上と見込まれる場合は、平成28年(2016年)4月1日以後に開始する最終親事業体(究極の親会社)の会計年度より適用ですので、至急作成に着手しなければなりません。国別報告書は英語の作成が必要であることにもご留意ください。

 

ローカルファイル(独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類)に関しては、一会計期遅れて適用されます。まずは、国外関連会社と平成28年(2016年)4月1日以後に開始する会計年度における、各国外関連会社との取引金額(受払合計)が50億円以上に、または、無形資産取引金額(受払合計)が3億円以上にならないかどうか調べる必要があります。該当する場合には、翌期よりローカルファイルを確定申告書の提出期限までに作成しなければなりませんので、準備態勢を整えることが喫緊の課題です。

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次回は、ローカルファイルの記載内容についてお知らせする予定です。

 

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