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OECDが租税回避に対処する第1次BEPS提言を発表

本年9月16日、経済協力開発機構(OECD)は、G20との共同プロジェクトに基づき、多国籍企業の租税回避に対処する第1次BEPS提言を発表しました。BEPSとは、Base Erosion and Profit Shiftingの略(日本語では、「税源浸食と利益移転」)で、多国籍企業が各国の税制の違いや租税条約等を利用して所得を軽課税国・無税国に移転し、グローバルに租税負担を免れていることを指します。

 ジャカルタの風景 (ジャカルタの風景)

OECDでは、このような多国籍企業の行為に国際的に協調した対応をとるための方策として、2013年2月にBEPSの現状分析に係る報告書を発表し、同年7月には、同租税委員会がBEPSに対処するための「BEPS行動計画」を公表しています。同計画では15の具体的な「行動(Action)」が掲げられていますが、今回のBEPS提言では、そのうち、以下のような7つの項目に関し、勧告等を行っています。 【第1次BEPS提言項目と勧告等の内容】(注) ODCDのWEBサイトによる)

番号 BEPS行動計画における行動 勧告等の概要(*注)
1 電子商取引課税 電子経済の進展に伴う課題に対処する。
2 ハイブリッド・ミスマッチ・アレンジメントの効果否認 ハイブリッド・ミスマッチ・アレンジメント(税制のミスマッチを利用したハイブリッド事業体・商品の二重非課税等)の効果を無効化するような税法や条約のモデルの規定を新たに策定して、国際的に法人課税に一貫性を持たせる。
5 有害税制への対抗 有害な税制上の慣行に対応する。
6 租税条約濫用の防止 国際基準上の特典を本来意図されていた形に戻し、租税条約の濫用を防止するよう、課税および関連する実態を修正する。
8 移転価格税制(①無形資産) 無形資産の主要分野における移転価格上の問題に対処して、移転価格の結果と価値創造を整合させる。
13 移転価格関連文書化の再検討 移転価格関連の文書化を改善すること、および国別報告の雛型(テンプレート)を定めることで、税務行政の透明性を改善して、納税者側にとっての確実性および予測可能性を高める。
15 多国間協定の開発 二国間租税条約を改正する多国間協定策定の実行可能性について報告することで、BEPS行動計画の円滑な実施を促進する。

  なお、今回の提言で取り上げられていない残りの項目については、2015年に最終承認を受けるために、今後G20諸国に提示される予定です。   OECDは、今回の提言の勧告等の内容は、すでにOECD加盟国、G20諸国、開発途上国、および財界、労働組合、学会、市民団体を代表する利害関係者の間で透明性が高い集中協議を重ねた末に、合意に至ったものであるものとしています。けれども、すぐに各国の国内法や租税条約に導入されるわけではありません。   日本の場合では、政府税調などで議論をかせね、税制改正案に織り込まれ、国会で可決されて初めて国内税法に導入されることになります。2015年以降はBEPS提言を受け、租税回避に対処する様々な税制改正が行われると予想されます。今後の動向を注視する必要がありそうです。   次回以降のブログでは、上記のBEPS提言の勧告のうち、実務上重要なものをさらにご紹介して行く予定です。   以上   関連ブログ 2014年1月27日のブログ「グローバル企業の行き過ぎた節税に対応するOECDの行動計画(BEPSレポート)」

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