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海外子会社に対する役務提供 ~ 第1回:日本の親会社の税務 その1

今回から数回にわたり、日本の企業が海外子会社に業務支援を行う場合の、日本の親会社と海外子会社の課税関係を概観します。今回は、日本における親会社の役務提供料に係る課税関係をみて行きましょう。   IMG_0411   日本の税務上、日本の親会社が海外子会社に対し、経営・財務・業務・事務管理などの業務支援を行う場合において、その活動が海外子会社にとって経済的または商業的価値がある認められるときは、対価を請求すべき役務提供として取り扱われます。   ここで、経営・財務・業務・事務管理とは、以下のような活動です。
①企画または調整、②予算の作成または管理、③会計・税務または法務、④債権の管理または回収、⑤情報通信システムの運用・保守または管理、⑥キャッシュフローまたは支払能力の管理、⑦資金運用または調達、⑧利子率または外国為替レートに係るリスク管理、⑨製造・購買・物流またはマーケティングに係る支援、⑩従業員の雇用・配置または教育、⑪従業員の給与、保険等に関する事務、⑫広告宣伝(⑨に掲げるマーケティングに係る支援を除く) 
  経済的または商業価値があるかどうかは、
◆ 同じ状況にある非関連企業から同様の支援を受けた場合にも子会社は対価を支払うか、または、 ◆ 支援がなかった場合に子会社自ら同じ活動を行う必要があると認められるか
で判断します。次のような場合などには、経済的または商業的価値がないものとされます。   * 親会社が海外子会社に対し、非関連者が海外子会社に対して行う役務の提供または海外子会社が自らのために行う活動と重複する活動を行う場合(ただし、その重複が一時的である場合、リスク低減のために重複活動を行う場合などは除く) *  親会社が株主の地位に基づき自らのために行う次のような活動

(a)親会社が実施する株主総会の開催や株式の発行など、親会社が遵守すべき法令に基づいて行う活動

(b)親会社が金融商品取引法に基づく有価証券報告書等を作成するための活動(ただし、親会社が子会社に対して行う特定の業務に係る企画、技術的助言、日々の経営に関する支援等は該当しない)

それでは、経済的または商業的価値がある業務支援については、どのように役務提供料を決めればよいのでしょうか? ―― 移転価格税制に基づき、原則として、「独立価格比準法と同等の方法」または「原価基準法と同等の方法」で算定する ―― が答えです(移転価格税制や、これらの価格算定方法は、別の機会に説明いたします)。   ただし、親会社の本来の業務に付随した役務提供については、一般的には、かかった総原価の額を役務提供料として請求すれば移転価格税制上の問題にはなりません。ここで言う総原価とは、「直接費+合理的に配賦された一般管理費等間接費」です。利益を上乗せする必要はありません。   では、親会社が請求すべき役務提供料を子会社に請求しなかった場合は、税務調査などでは、“寄附金”として取扱われるのではないか?――― この点に関しましては、次回、ご説明いたします。

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